農業者年金|受給者死亡手続を期日内に終わらせる5つの手順と注意点

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農業者年金の受給者が亡くなられた際、遺族の方はどう手続きすれば良いかわからず、お困りではありませんか。

それもそのはず、年金の手続きは加入や変更の時以外は何もしないので、わからなくて当然です。
また、葬儀や役所への届出、金融機関の手続、相続関係などで忙しい中、並行して進めなければなりません。
できれば、具体的な手順や期限がわかった上で、落ち着いて進めたいところです。

そこでこの記事では次のことをご説明します。

(1)農業者年金の受給者が亡くなられた際の手続を大まかな流れ
(2)揃えるべき必要書類
(3)具体的な手順
(4)申請期限と怠った場合のペナルティ
(5)よくある質問

この記事を読めば、手続きを落ち着てい漏れなく進められるようになります。

もしもの時の参考にして頂ければ幸いです。

1. 農業者年金の受給者が死亡した際の手続きの大まかな流れ

農業者年金の受給者が死亡した際の手続きの大まかな流れは次のとおりです。

【農業者年金の受給者が死亡した際の手続きの大まかな流れ】
(1)医師からの死亡診断書をもらう
(2)役所への死亡届を提出する
(3)年金窓口へ死亡に関する申請書を提出する
(4)振り込まれた金額を確認する(未支給年金や死亡一時金がある場合)

申請には期限があります。
一方で、必要な書類が揃うまでには時間もかかります。

それぞれの内容を理解した上で、段取りよく進めたいところです。

次の章から具体的に説明します。

2. 農業者年金の受給者が死亡した際の手続きの具体的な手順と注意点

この章では、農業者年金の受給者が死亡した際の具体的な手順と注意点を説明します。

具体的な手順は次のとおりです。

【農業者年金の受給者が死亡した際の具体的な手順】
(1)医師から死亡診断書をもらう
(2)役所へ死亡届を提出する
(3)役所で「除籍」された戸籍謄本を入手する
(4)農業者年金死亡関係届出書をダウンロードして記入する
(5)JA窓口へ提出する
(6)未支給年金や死亡一時金がある場合は入金を確認する

では、詳しく説明します。

2-1. 医師から死亡診断書を入手

医師から死亡診断書を入手します。

ただし、死亡診断書は医師が保管するものなので、もらえるのは「コピー」です。

役所に提出する前に、必ず死亡診断書を何枚かコピーしておきましょう。
年金の手続きだけでなく、葬儀や各種手続きでも必要になるからです。
【死亡診断書が必ず必要なところ】
・役所
・葬儀屋
【除籍の証明が間に合わない場合に死亡診断書で代用できるところ】
・年金(国民年金、農業者年金)
・金融機関
・保険会社

2-2. 役所へ死亡届を提出|除籍されるまで1週間はかかる

死亡診断書を入手したら、できるだけ早く役所へ死亡届を提出します。

なお、戸籍上で亡くなったことが反映されるまで(除籍されるまで)、1週間はかかります。

忌引き休暇中に手続きを済ませたい人は、役所への届出を急ぎましょう。
除籍が完了するまでに1週間はかかるからです。
役所は土・日・祝は休みなので、その分も考慮が必要です。
金融機関や保険会社等への提出書類も、除籍されてからの戸籍謄本が必要です。
それが手に入らないことには、いろんな手続が進められません。
役所への届出の際は、窓口でいつ頃手続きが終わるか確認しておきましょう。

【役所の「お悔みコーナー」のメリット】
最近では「お悔みコーナー」という専用窓口を設けている役所があります。
その窓口に行けば、戸籍、保険、市民税などの手続きをまとめて受け付けてくれます。

・順番待ちが1回で済む(予約が必要な場合あり)
・住所・氏名などの共通項目の記入が1回で済む
・本人確認の書類の提出が1セットで済む
・必要な窓口への届け忘れがなくなる

このように時間と労力がかなり簡便化できます。

2-3. 除籍された戸籍謄本を入手|ホッチキスは決して外さないこと

役所の窓口に行ったら、まず除籍ができているか確認してから交付申請しましょう。

事前確認せずにお金を払った後よく見たらまだ反映されてなかった場合、ムダな出費になります。

謄本のホッチキスは、絶対に外してはいけません。ホッチキスを外した時点で、原本ではなくなるからです。

住民票関係の書類は、年金以外の手続きでも必要です。
除籍が確認できたら、必要分をまとめて入手しましょう。
ただし、必要なのが謄本なのか抄本なのかは確認が必要です。
特に、原戸籍(はらこせき)が必要な場合もあります。
どういう戸籍が必要かは、それぞれの窓口で事前に確認しておきましょう。

原戸籍(はらこせき)=生まれてから亡くなるまでのすべてを記載した戸籍情報

2-4. 「農業者年金死亡関係届出書」をダウンロードして作成|パソコンがないならJA窓口でも入手可能

「農業者年金死亡関係届出書」を下記よりダウンロードします。

農業者年金基金HP|「農業者年金死亡関係届出書」

また、記載例はこちら「農業者年金死亡関係届出書の記載例

なお、パソコンがない場合、JA窓口でも入手可能です。
記入する項目はそれほど多くないので、窓口で作成してもよいでしょう。

2-5. JA窓口へ提出|配偶者がいるならできる限り同席する

書類ができたらJA窓口へ提出します。

提出の際、配偶者が存命なら同席したもらったほうがいいでしょう。
なぜなら配偶者が最も受取の優先順位の高い人だからです。

配偶者が存命なのに同席していないとなると、窓口に来た人は当然2番手、3番手の間柄の人です。
身分証明や死亡者との関係、受取順位に問題がないか等たくさんの追加確認が必要になります。

【マイナンバーカード作成のお勧め】
お年寄りの方は運転免許証をお持ちでない方も多いと思います。
その場合、身分証明として役に立つのがマイナンバーカードです。
なお、マイナンバーの通知書だけでは役にたちません。
写真の入ったマイナンバーカードです。
もし運転免許証をお持ちでないなら、マイナンバーカードの作成をお勧めします。

2-6. 未支給年金や死亡一時金がある場合は入金を確認する

未支給年金や死亡一時金がある場合は、後日に振込通知が届きます。
必ず、入金を確認しましょう。

振込まで2、3ヶ月かかりますので、お忘れなく。

3. 農業者年金の死亡届に必要な添付書類

農業者年金証書

農業者年金証書のサンプル

農業者年金の死亡届には、次の2つの添付書類が必要です。

(1)農業者年金証書
(2)除籍された戸籍謄本か住民票の写し、または市町村長の証明書等

未支給年金や死亡一時金がある場合に、さらに次の4つが必要になります。

(3)亡くなった人とお金をもらう人との続柄を確認できる戸籍謄本等
(4)亡くなった当時、生計を同じくしていたことが証明できる住民票の写しなど

(5)振込先口座の預金通帳(キャッシュカードでも可のところもある)
(6)振込先口座の名義人の本人確認書類

もし、生計を同じくしていたことを証明できる書類がない場合は、民生委員や町内会長、農協組合代表理事などに証明してもらうことになります。
その場合、届出書の2枚目の「同一生計証明」欄に署名・捺印してもらいます。

4. 届出は10日以内に|届出が遅れると引き続き入金されてしまい返還しなければならない

農業者年金の死亡届は、10日以内に届出る必要があります。

届出が遅れると、年金が引き続き振り込まれます。
当然ですが、過払い分は返還義務があります。
余計な振込作業をしなければなりません。

なお、年金は亡くなった当月分までもらえますので、その分を超えて支払われた年金が返還対象となります。

 

5. 農業者年金の受給者が死亡した際の手続きに関するQ&A

この章では、農業者年金の受給者が死亡した際の手続きについて、よくある質問をまとめました。

Q1: 未支給年金とは何ですか

A: 亡くなった方が本来もらうべきだった年金を、遺族の方が請求してもらえる額

年金は受給者が亡くなった月までもらえます。
もし、当月分を受け取る前に亡くなった場合、遺族の方にもらえる権利が発生します。
これを未支給年金といいます。

Q2: 未支給年金は誰でも請求できますか

A: 請求できる人は配偶者または3親等内の親族で、その順位も決まっている

未支給年金は誰でも請求できる訳ではありません。
配偶者か3親等内の親族で、死亡当時生計を同じくしていた人に限られます。
さらにその順位も決まっており、次のとおりです。
(1)配偶者(2)子(3)父母(4)孫(5)祖父母(6)兄弟姉妹(7)3親等内の親族

Q3: 死亡一時金とは何ですか

A: 80歳までに亡くなった場合に、遺族の方がもらえる給付金

80歳までに亡くなった場合に、遺族の方は一時金をもらうことができます。
80歳まで生きていたら貰えたであろう金額をもとに、予定利率等を用いて算出されます。
複雑な計算なので、窓口にて計算してもらいましょう。

Q4: 死亡一時金は誰でも請求できますか

A: 請求できる人は遺族に限られていて、その順位まで決まっている

死亡一時金は誰でも請求できる訳ではありません。
遺族のうち、死亡当時生計を同じくしていた人に限られます。
さらにその順位も決まっており、次のとおりです。
(1)配偶者(2)子(3)父母(4)孫(5)祖父母(6)兄弟姉妹

Q5: 死亡届を怠るとどうなりますか

A: 過払い年金の返還義務が発生し、死亡一時金がもらえなくなる

年金受給者が亡くなったことを届出ないでいると、引き続き年金が支給されてしまいます。
しかしそれは本来もらえないものなので、当然返還義務が発生します。
また、死亡届を出していないので、死亡一時金ももらえません。
(死亡一時金については、Q3を参照ください。)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この記事では、次のことをご説明しました。

(1)農業者年金の受給者が亡くなられた際の手続を大まかな流れ
(2)揃えるべき必要書類
(3)具体的な手順
(2)申請期限と怠った場合のペナルティ
(5)よくある質問

この記事を読めば、手続きを落ち着てい漏れなく進められるようになります。

もしもの時の参考にして頂ければ幸いです。

 

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