ビニールハウスの価格の相場|最高の構成で安く購入するコツ10選

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ビニールハウスを検討中のあなたは、価格や相場がわからずお困りではありませんか。

・ビニールハウスの価格の相場がわからない
・業者に見積をもらったが、高いか安いか判断できない

特に農業用の本格的なビニールハウスは、見積もりから施工まで業者にお任せのケースが多いようです。
価格の相場や見積もりの内訳などもわかりにくいのが現状です。

高い買い物ですので、しっかり内容を理解した上で納得のいく価格・仕様でビニールハウスを建てるのが理想ではないでしょうか。

そこでこの記事では、ビニールハウスの工事もしている農地コンシェルジュが、初めての方にもわかりやすく次の2つのことを解説します。

(1)ビニールハウスの規模や用途に応じた価格の相場
(2)見積価格の内訳と見積明細の見るべきポイント

これを読むことであなたの予算に見合ったビニールハウスを適正な価格で建てられることでしょう。

目次

1. ビニールハウスの用途・規模の違いによる価格の相場

この章では、ビニールハウスの価格の相場をご説明します。

ビニールハウスには、ベランダやテラスに設置できるものから、家庭菜園用、業務用(農業用)までいろいろあります。
特に本格的な農業用は連棟(棟を横に連結)にすることで、広大な面積のビニールハウスを建てることができます。

この章を読むことで、あなたが考えている用途や規模に応じたビニールハウスの価格の相場がわかります。

1-1. ビニールハウスの用途・規模の違いによる価格の相場

ビニールハウスの用途・規模の違いによる価格の相場は次のとおりです。

用途 価格の相場 面積・規模(サイズ)の目安 内容
簡易版
ビニールハウス(簡易版)
 3,000~10,000円 4㎡程度
サイズ:縦横0.5-2m
ベランダやテラスにも設置可能
家庭菜園用ビニールハウス(家庭菜園) 10,000~50,000円 4-20㎡
サイズ:縦横2.0-5m
ホームセンターや通販で購入し自作する方が多い
本格的な農業用
ビニールハウス 3連棟
3,000~20,000円/㎡
(平米単価)
20-5,000㎡
間口:4.5-10m
奥行:5-100m
連棟にすれば広大な面積も設置可能

 

1-2. 簡易版(縦横0.5~2m以内)は、3,000円程度から入手可能

簡易版は、寸法が縦横0.5m~2m前後のものが多いです。
ホームンセンターや通販で3,000円程度から入手可能です。

マイホームのテラスの鉢植えやプランターなどに使用します。
小さいものならマンションのベランダにも設置可能です。

簡易版には面積をコンパクトにする分、細長く背が高いものもあります。
こういった形は風で倒れる危険があります。
ハウスが倒れて中の植木鉢を壊してしまわないよう、固定する方法も考えて設置しましょう。

1-3. 家庭菜園用(縦横2~5m前後)は、10,000~50,000円前後

自宅の庭や小さな畑などで家庭菜園として、小型のビニールハウスを自作される方が多いです。

こちらもホームセンターや通販で購入できます。
サイズにあわせて、10,000円から50,000円程度まであります。

パイプを組み、地面に差し込み、ビニールを張ります。
雨露よけや保温効果が期待できます。

台風や雪の季節はやはり心配です。
もしもの時は、ビニールを外すなどの対策も考えましょう。

あとビニールだけを追加購入できるか確認しておきましょう。
ビニールが専用品だと、破れた場合に部品として入手できなかったり、思ったより高くつく恐れがあるからです。

 

1-4. 本格的な業務用・農業用ビニールハウスは、平米単価3,000~20,000円/㎡と幅がある

ビニールハウス(農業用)

本格的な業務用・農業用ビニールハウスは間口(幅)や奥行(長さ)がいろいろ選べるため、一般に面積単価で表します。

価格の幅は広く、3,000円/㎡から20,000円/㎡まであります。

農業用のビニールハウスの価格を左右する重要な5つの項目

なぜこれほど価格に差が出るかというと、次のように選択できる項目が非常にたくさんあるからです。

その中でも特に重要な項目は次の通りです。

【ビニールハウスの価格を左右する重要な5つの項目】

 

(1)【工事費用】施工費込みか、自分で組み立てるか
(2)【資材の質】パイプの材質、太さの違いよる価格差
(3)【資材の量】パイプ間のピッチの違いによる本数の差
(4)【資材の質】ビニールの違いよる価格差
(5)【オプション装置の有無】特に換気扇や暖房関係の装備の有無

それぞれ重要な項目ですので、第2章で詳しく説明します。

 

間口(幅)7.2 m、奥行(長さ)50 m、3連棟で建てた場合(面積約1反=10a)の概算は8百万円前後

ビニールハウス 3連棟

農業用のビニールハウスを、間口(幅)7.2 m、奥行(長さ)50 m、3連棟で建てた場合(面積約1反=10a)の概算は8百万円前後になります。

その際の前提条件は次の通りです。

項目 内容
総面積 1反=10a
間口(幅) 7.2 m
奥行(長さ) 50 m
棟数 3連棟
ハウス面積 900㎡
両開きを3つ(各棟に1つずつ)
換気扇 3つ(各棟に1つずつ)
巻き上げ装置 側面およびすべての谷部に設置
組立施工 業者に依頼
設計強度 耐風性、耐雪性は奈良盆地を想定

実際には、各メーカーの仕様に応じて価格は大きく差が出ます。

あくまで参考ケースとしてください。

 

2. 本格的な農業用ビニールハウスの価格の構成要素

この章では、本格的な農業用ビニールハウスの価格の構成要素について説明します。

各部の価格の相場がわかれば、見積もり全体の価格の妥当性もわかるようになります。

この章を読むことで、見積もりが自分の希望の仕様に見合った価格なのかがわかるようになります。

2-1. ビニールハウスの見積の内訳

ビニールハウスの見積は、一般に本体部材、換気部材、被覆部材、運搬・施工費にわけられます。
おおよその価格構成比率を知っておけば、見積もりをもらった際に見比べることができます。

大きく差がある場合は、業者に質問してみましょう。

なぜなら、過剰スペックによる無駄な初期投資を防ぐことができるようになるからです。

内訳 主な要素 価格比率 備考
本体部材 アーチパイプ、ストレートパイプ、連結金具、扉、雨樋(とい) 40~50% 雨樋は連棟の場合のみ必要
換気部材 換気扇、シャッター、巻き上げ機 15~20% 長くなると途中に循環扇が必要
被覆部材 ビニール、寒冷紗、カーテン 10~15% 様々な種類があり張り替えることが前提
運搬・施工費 施工費、部材運搬費 15~20% 自作であれば施工費は不要

表のように、価格の50%程度が本体部材の「パイプ」で構成されます。
つまり、パイプの過剰スペックを防ぐことが一番影響力があるということです。

以降、それぞれの標準的な内容と役割について解説していきます。

 

2-2.【本体部材】間口の広さと標準的なパイプを知って過剰なスペックと価格の高騰を防ぐ

直径 31.8mmのタフパイプ

ビニールハウスの骨組みはパイプで構成されます。
ビニールハウスを「パイプハウス」と呼ぶのもそのためです。

ハウスの面積が同じでもパイプの太さやピッチ(パイプの間隔)によって金額が変わってきます。
具体的には次の関係があります。

・間口を広くしたいなら、パイプを太くする必要がある
・耐雪性や耐風性などを高くしたいなら、パイプを太くするかピッチを狭くする必要がある
・細いパイプで作りたいなら、ピッチを狭くする必要がある

もちろんピッチを狭くしたらその分本数は増えるので、価格もあがります。

間口とパイプ径・厚みとの標準的な関係(パイプピッチ:45~50cmの場合

ハウスの間口とパイプ径・厚みとの標準的な関係は次の通りです。
なおピッチ(パイプの間)は40~45cmを想定しています。

ハウスの間口 標準的なパイプの直径の目安 標準的なパイプの厚み
4.5m Φ19.1mm 1.2m
5.0m Φ22.2mm 1.2m
6.0m Φ25.4mm 1.2m
7.2m Φ31.8mm 1.6m

「Φ」は直径を意味します。「ファイ」と読みます。
ちなみに半径は、「r」(アール)です。

ただし、これらはおおよその組み合わせです。
実際には、その地域で求められる耐雪性や耐風性などの条件によって変わってきます。

2-3.【本体部材】寒冷地・強風地はパイプの強度が求められるので価格アップも覚悟する

ビニールハウスは自然の猛威と戦っています。
地域の気候に耐えうるためには、価格アップもやむを得ません。

豪雪地帯では、耐雪性の設計強度を高くする

豪雪地帯

豪雪地帯では、次の4つのことに気をつけましょう。

(1)雪に耐える強度を確保すること
(2)単棟にすること
▶︎谷部の雪がいつまでも融けない、過度な負担がかかるため
(3)ビニールハウスとビニールハウスの間に距離を確保すること
▶︎雪がすべり落ちて積もる部分を確保するため
(4)ボイラー等の暖房設備の導入費用と維持費用
▶︎初期費用だけではなく維持費用も必要なので、作物の選定や利益を計算する必要がある

沖縄など台風が頻繁にくる地域は、耐風性の設計強度を高くする

沖縄のビニールハウス

強度に不安があるなら、台風シーズンはビニールを外すことも対策の一つです。

 

2-4.【本体部材】ハウスに設置する扉は1つあたり15,000〜50,000円程度

ビニールハウスの扉

ハウスに設置する扉は、片開きのものか両開きのものかで次のように費用が変わります。

片開きの扉は、15,000~25,000円
両開きの扉は、30,00050,000

1つあたりの単価が高いので、ハウスを連棟にする場合は要確認です。

業者の提案数が必要以上になっていないか、作業動線もよく考えて設置しましょう。

扉を多く設置する場合のメリット、デメリットは次のとおりです。

メリット ・ハウスへの出入りがラク
・作業効率が高い
・農業機械が入れる
デメリット ・価格があがる
・虫や雑草の種が入り込みやすい
・空気がもれやすく空調がききにくくなる
・レールに泥がつまったりして傷みやすい
・ビニールの張り替え時に手間が増える

 

2-5.【本体部材】連棟になると雨樋(とい)が必要|1mあたり2,000-3,000円

雨樋

 

連棟になると谷部に雨樋(とい)が必要になります。

1mあたり2,000~3,000円はかかります。
例として、全長50mの場合は100,000~150,000円になります。

連棟の数が増えるとその分、谷部の数が増えます。
ハウスの性能に関係ない部分で大きな出費となります。

単棟にするか連棟にするかの判断材料にしてください。

2-6.【換気部材】自然な風で換気するなら巻き上げ機|側面と谷部に設置し10,000~20,000円前後

巻き上げ機

側面をあけて換気をする場合、巻き上げ機を使用します。
両サイドを巻き上げることで自然な風で換気します。

連棟の場合、谷部の高い所にも巻き上げ機が必要です。
手の届くところで10,000円前後、谷部や高い所では20,000円前後になります。

2-7. 【換気部材】強制的に換気するなら換気扇|さらに換気効率を高めたいなら循環扇を設置

換気扇

強制的に換気したいなら、妻面に換気扇を設置します。

換気扇の価格は1台あたり100,000~200,000円になり、オプションの中でもかなりの高額品です。

反対側にはシャッターも必要になり、価格は25,000~50,000円あたりです。

さらに換気効率を高めたいなら循環扇を設置する

循環扇

換気効率をさらにアップさせるために、循環扇を取り付ける場合があります。

おおよそ 40,000円前後です。

ハウスの奥行が長くなると、換気扇だけでは十分に換気できません。

特に奥行 50 mを超える場合は、必須と考えてください。

 

2-8.【換気部材】自動開閉・自動換気は200,000円から

換気装置を、温度センサーと組み合わせて自動開閉・自動換気にすることも可能です。
ただし高額です。

温度センサーと制御装置で200,000円~です。
巻き上げ機を電動にするのに、一つにつき60,000円~かかります。

ただ高額な分、次のようなメリットがあります。

【自動開閉・換気装置のメリット】

・換気し忘れ、閉め忘れがなくなる
(作物によっては換気し忘れが全滅をまねくこともあり、それを防げる)
・換気のタイミングを体感ではなく、正確な気温の変化で対応できる
・巻き上げや下げる時間を節約できる

(棟数が多いとかなりの時間がかかるので、これを節約できる)

ただし、機械に頼りすぎると想定外の気候変化への対応が遅れるます。
全自動開閉を導入しても作物の様子の見回りは怠ってはいけません。

2-9.【被覆部材】ビニールはたくさん種類があるが、標準で1反=10aあたり400,000~500,000円前後

ビニール

ビニールにはたくさんの種類があります。
選ぶ際の検討項目も次のように多岐にわたっています。

【ビニールを選ぶときの検討項目】

・価格

・透明性

・直射光or散乱光
・耐久性(経年劣化に対して)
・引き裂き強度(外的衝撃に対して)

・防塵性(ホコリ、ベタつき)
・紫外線カット

・保温性

各メーカーが特色のある商品を出しており、高いものもあれば安いものもります。

参考に、標準的なビニールにて「奥行50 m×間口7.2 m×3連棟(約1反)」のハウスに張った場合で、400,000~500,000円前後です。

2-10.【被覆部材】高いものにするか安いものにするかは、最終的には自分の価値観次第

ビニールを選ぶ際、まずは栽培作物によってある程度絞り込めます。

しかし、最終的には次のような自分の価値観で選ぶしかありません。

・高くて長寿命なものを長く使いたい
・安いものを毎年張り替える方が良い

それぞれのメリット・デメリットを説明します。

高くて長寿命なビニールを長く使う場合のメリット・デメリット

高いが耐久性があり長寿命のものを長く使う場合のメリット・デメリットは次の通りです。

メリット ・性能が良いものを長く使える
・使用年数で割ると割安になる場合もある
・張り替える手間が減る
デメリット ・経年による汚れがつく
・張り替え作業をめったにしないので、破れたときの復旧作業に手間取る
・台風の時、パイプ本体を守るために切り裂くのに躊躇する

 

安いビニールを毎年張り替える場合のメリット・デメリット

安いビニールを毎年張り替える場合のメリット・デメリットは次の通りです。

メリット ・毎年新品なのでキレイ
・張り替え作業に熟練してくるので、破れたときの復旧がはやい
・栽培作物にあわせてビニールを変えるなどの対応が簡単にできるようになる
・台風の時に切り裂いてパイプ本体を守る手段に出やすい
デメリット ・安いものは透明性、強度など様々な面で劣る
・業者に張替えを依頼する場合、高くつく

 

2-11.【運搬・施工費】施工品質を確保するためには施工費をある程度みておく

工事品質

施工費を値切って施工品質が下がると、かえって損することになります。
施工業者に対しては、値切るよりもむしろどれだけ品質良く組み立ててくれるのかを確認しましょう。

施工品質が悪いと次のようなデメリットがあります。

(1)基礎工事が不十分だと、パイプが沈みハウスがゆがむ

(2)換気扇を回しても隙間から風が入りこみ十分に換気できない

(3)隙間から虫や雑草の種が飛んでくる

(4)ビニールにたるみがあるとそこから露がおちて、下の野菜が病気になる(しずくには雑菌がいっぱい)

(5)台風時、強度のムラがあるとそこから歪んで倒壊する

(6)台風時、下から風が入り込み飛ばされる
(7)積雪時、設計時の強度計算どおりにならず倒壊する

(8)積雪時、ビニールのたるみがあると引っかかって雪が滑り落ちない

ビニールハウスはパイプとビニールでできたシンプルな構造です。
それだけに施工品質はとても重要なのです。

施工不良を回避する時期別9つの確認事項

施工不良を回避するためには施工業者とよく話し合い、できれば次のようなことを確認しましょう。

時期 確認内容
契約前 ・施工担当者の経験や実績は十分か
・農地の状況(地盤の固さや水はけなど)を把握しているか
(農地で気になる箇所があればきちんと伝えておく)
本体組立中 ・パイプが土中にしっかり差し込まれているか
・アーチパイプは歪みなく並んでいるか
・金具がきちんと締められているか
・扉を閉めたとき隙間なくピシッと閉まるか
被覆部材取付中 ・ビニールにシワやたるみはないか
・巻き上げ機はタルミなく巻けるか
・換気扇を回したとき隙間から風が入り込んでないか
(特に下側から風が入り込んでいないか)

 

自作も可能だが、初めて建てる場合はあまりお勧めしない

ビニールハウスの自作

ビニールハウスは自分で組み立てることも可能です。
実際、自分で組み立てられる方もおられます。

ただ、初めてビニールハウスを建てる場合、自作するのは次の理由からあまりお勧めしません。

【初めてビニールハウスを建てる場合に、自作をお勧めしない3つの理由】

 

(1)ビニールハウスのことをあまり詳しくない中でパイプや金具等の必要な部材をすべて自分で揃えるのは困難
(2)電装系のオプションを装備する場合は電気関係の知識も必要
(3)自己流で組み立ててハウスが損壊した場合、農業そのものに支障をきたす

(家庭菜園なら別ですが、業務用ですので生活がかかっていることを忘れてはいけません)

たとえ自作する場合であっても、施工経験のある方に指導してもらいながらすすめましょう。

ビニールハウスは大切に使えば何十年でも大丈夫です。
それが施工品質が悪いために寿命を縮めてしまうのはもったいないことです。

ちなみに農地コンシェルジュの近隣農家さんにビニールハウスの組み立てを仕事にされてきた方がおられます。
その方は引退後に古いパイプをもらってきて、自分の畑にビニールハウスを建てられました。
施工品質が良いので、中古パイプでも30年間台風や積雪に耐えています。
そのハウスは今もまだ健在です。

そのくらい施工品質は重要なのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この記事では、次のことをご説明しました。

(1)ビニールハウスの規模や用途に応じた価格の相場
(2)見積価格の内訳と見積明細の見るべきポイント

簡易版や家庭菜園用のビニールハウスは、通信販売やホームセンターの店頭にて、ある程度の価格の比較はできると思います。

しかし、本格的な農業用のビニールハウスは、業者からの見積をしっかり理解しないと割高な買い物になりかねません。

せっかく建てるのですから、わからないところは業者に説明してもらい、納得した上で進めましょう。

この記事があなたのビニールハウスを建てる際の手助けになれば幸いです。

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