新型コロナウイルスで収入ダウンの農家必見!国の緊急融資制度とは?

新型コロナウイルスアイキャッチ画像
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

新型コロナウイルスの影響で、農家のあなたは注文のキャンセルや需要減による収入も下がるのではないかと、ご心配ではないでしょうか。

そんな中、農林水産省がツイッターに次のことを書き込みました。

国をあげて農林漁業を守っていこうというものです。

そこでこの記事では、農地コンシェルジュが農林水産省と日本政策金融公庫に問い合わせを行ってわかった4つのことを解説します。

(1)緊急で受けられる融資とは具体的に何か
(2)融資は誰でも受けられるのか
(3)融資を受けるにはどうすればよいか
(4)この融資以外に受けられる補償はないか

これから春に向けて農業がますます盛んになっていきます。

早く新型コロナウイルスの影響から脱して、新しいシーズンが迎えられるよう頑張りましょう。

1. 緊急の長期的融資とは「農林漁業セーフティネット資金」のこと

ツイッターで、2020年3月2日に農林水産省から次の書きこみがありました。

<資金繰りが困難な農林漁業者の皆様に>
新型コロナウイルス感染症の影響により、農業経営等の維持安定が困難な農林漁業者を対象に、一時的な影響に対し、緊急的に対応するために必要な長期資金を日本政策金融公庫等が融資します。
ツイッター|農林水産省2020年3月2日

ただ、この書きこみには具体的なことが書かれていません。

そこでこの章では、農林水産省や日本政策金融公庫の担当窓口に問い合わせた内容をもとに、最新情報を解説します。

1-1. 融資の正式名称は「農林漁業セーフティネット資金」

この書き込みが指している融資の正式名称は、「農林漁業セーフティネット資金」です。

この融資は緊急に設置されたものではなく、従来からある融資です。
台風、冷害、干ばつ、土砂崩れ、地震、積雪等で被害を受けた際に利用できます。

それを今回、新型コロナウイルスで影響を受けた農家さんに活用してもらいたいということです。

日本政策金融公庫の情報を参照したい方はこちら
日本政策金融公庫HP|農林漁業セーフティネット資金

 

融資対象は「専業農家(所得の50%超が農業)」であること

「農林漁業セーフティネット資金」は、専業農家さんなら誰でも受けられます。

日本政策金融公庫のHPでは、「認定農業者」や「認定新規就農者」という言葉が目立ちますが、「認定」でない農家さんも対象です。
ただし、農業からの所得が過半を占めていることが条件です。
これを満たさない兼業農家さんは受けられません。

 

融資の内容は、原則最大600万円、利率0.1%

融資の内容は次のとおりです。

返済期間:10年以内(うち据置期間は3年以内)
限度額 :600万円(特例あり)
利率(年) :0.1%

低金利が設定されていますね。

【重要】
2020.3.10に農林漁業セーフティネット資金に特別措置が発表されました。

対象者 : 新型コロナウイルス感染症により経営の維持安定が困難となった方
限度額 : 600万円 → 1200万円

日本政策金融公庫HP|新型コロナウイルス感染症にかかる特例措置について

1-2. 「農林漁業セーフティネット資金」の融資には「売上減」を証明できるものを準備しよう

「農林漁業セーフティネット資金」を申し込む際には、売上が減ったことを証明できるものを準備する必要があります。

法人と個人で用意するものは異なりますので、確認しましょう。

 

法人の場合は試算表などを準備する

法人であれば、その期と前年同期の試算表等を提出します。
それらを比較して明らかに新型コロナウイルスで売上が減ったことを証明する必要があります。

個人の場合は帳簿などを準備する

個人で、帳簿をつけていればそれでみせて、昨年の同時期に比べて売り上げが減ったことを示す必要があります。
もし、帳簿をつけていない場合は、売上伝票などを集計して整理し、前年の同時期の売上に比べて落ち込んでいることを証明する必要があります。

この資金はあくまで「融資」ですので、通常の融資と同じように必要な書類があります。
それらも含めて、窓口に相談されるのが最も近道です。

 

1-3. 「農林漁業セーフティネット資金」の問合せ窓口

「農林漁業セーフティネット資金」の相談は、日本政策金融公庫の各支店窓口で受け付けています。

お近くの窓口にご相談ください。

本店 0120-926478
【北海道】
札幌支店  011-251-1261 札幌市中央区北一条西2-2-2(北海道経済センタービル)
帯広支店  0155-27-4011 帯広市大通南9-4(帯広大通ビル)
北見支店  0157-61-8212 北見市幸町1-2-22
【東北】
青森支店  017-777-4211 青森市長島1-5-1(AQUA青森長島ビル)
盛岡支店  019-653-5121 盛岡市菜園2-7-21
仙台支店  022-221-2331 仙台市青葉区中央1-6-35(東京建物仙台ビル)
秋田支店  018-833-8247 秋田市中通5-1-51(北都ビルディング)
山形支店  023-625-6135 山形市七日町3-1-9(山形商工会議所会館)
福島支店  024-521-3328 福島市栄町6-6(NBFユニックスビル)
【北関東信越】
水戸支店  029-232-3623 水戸市南町3-3-55
宇都宮支店 028-636-3901 宇都宮市二番町1-31
前橋支店  027-243-6061 前橋市本町1-6-19
さいたま支店 048-645-5421 さいたま市大宮区宮町1-109-1(大宮宮町ビル)
新潟支店  025-240-8511 新潟市中央区万代4-4-27(NBF新潟テレコムビル)
長野支店  026-233-2152 長野市三輪田町1291
【東京南関東】
千葉支店  043-238-8501 千葉市中央区新町1000(センシティタワー)
東京支店  03-3270-9791 千代田区大手町1-9-4(大手町フィナンシャルシティ ノースタワー)
横浜支店  045-641-1841 横浜市中区南仲通2-21-2
甲府支店  055-228-2182 甲府市丸の内2-26-2
【東海北陸】
富山支店  076-441-8411 富山市桜橋通り2-25(富山第一生命ビル)
金沢支店  076-263-6471 金沢市南町6-1(朝日生命金沢ビル)
福井支店  0776-33-2385 福井市西木田2-8-1(福井商工会議所ビル)
岐阜支店  058-264-4855 岐阜市吉野町6-31(岐阜スカイウイング37西棟)
静岡支店  054-205-6070 静岡市葵区黒金町59-6(大同生命静岡ビル)
名古屋支店 052-582-0741 名古屋市中村区名駅3-25-9(堀内ビル)
津支店   059-229-5750 津市万町津133
【近畿】
大津支店  077-525-7195 大津市梅林1-3-10(滋賀ビル)
京都支店  075-221-2147 京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町101(アーバンネット四条烏丸ビル)
大阪支店  06-6131-0750 大阪市北区曽根崎2-3-5(梅新第一生命ビルディング)
神戸支店  078-362-8451 神戸市中央区東川崎町1-7-4(ハーバーランドダイヤニッセイビル)
奈良支店  0742-32-2270 奈良市大宮町7-1-33(奈良センタービルディング)
和歌山支店 073-423-0644 和歌山市十二番丁58
【中国】
鳥取支店  0857-20-2151 鳥取市末広温泉町723(鳥取県JA会館)
松江支店  0852-26-1133 松江市殿町111(松江センチュリービル)
岡山支店  086-232-3611 岡山市北区柳町1-1-27(太陽生命岡山柳町ビル)
広島支店  082-249-9152 広島市中区紙屋町1-2-22(広島トランヴェールビルディング)
山口支店  083-922-2140 山口市熊野町1-10(ニューメディアプラザ山口)
【四国】
徳島支店  088-656-6880 徳島市中洲町1-58
高松支店  087-851-2880 高松市寿町2-2-7(いちご高松ビル)
松山支店  089-933-3371 松山市三番町6-7-3
高知支店  088-825-1091 高知市堺町2-26(高知中央ビジネススクエア)
【九州】
福岡支店  092-451-1780 福岡市博多区博多駅前3-21-12
佐賀支店  0952-27-4120 佐賀市駅南本町4-21
長崎支店  095-824-6221 長崎市大黒町10-4
熊本支店  096-353-3104 熊本市中央区安政町4-22
大分支店  097-532-8491 大分市都町2-1-12
宮崎支店  0985-29-6811 宮崎市橘通東3-6-30
鹿児島支店 099-805-0511 鹿児島市名山町1-26

 

2. 農業の「収入保険」も新型コロナウイルスの影響による収入減をカバーしてくれる

営農に必要な資金は、融資以外の選択肢もあります。

この章では、新型コロナウイルスの影響による収入減をカバーしてくれる「収入保険」をご紹介します。
2019年1月に始まった新しい制度ですので、あまりご存じない方もおられるかもしれません。

既に加入済みの方は、注意点を参照ください。
まだの方は、今回を機に一度検討されてみてはいかがでしょうか。

2-1. 新型コロナウイルスの影響による収入減をカバーしてくれる「収入保険」とは

「収入保険」とは、農業の収入が一定基準に満たない場合に補填してくれる制度です。
農業経営に日々努力されている農家・農業法人に対し、収入面での不測の損害から守る制度です。
収入額つまり「金額」を基準にして、収入が落ち込めば補填してくれるのです。

今回の新型コロナウイルスの影響で収入が落ち込んだ場合も、補填の対象となります。

「収入保険」についてくわしく知りたい方は、次の記事を参照ください。

2-2. 「収入保険」で補填してもらう際の注意点

「収入保険」の注意点は、売上が落ち込んだかどうかが年間ベースで判断されるということです。

詳しく言うと、保険に入る際にあらかじめ年間の基準収入が決めておき、実際の年間収入がその9割を下回った場合に補填されるます。

現在、新型コロナウイルスの影響で売上が大きく落ち込んているとします。
しかし、やがて問題が解消されて、逆に反動で大きく売り上げが増えたとします。
年間を通してみた結果、基準収入の9割を下回らなかった場合は補填されません。

2-3. 「収入保険」で年間通しての収入減が明らかな場合の緊急対策方法

もし、「収入保険」に加入されていて、下記の条件にあてはまるか確認ください。

(1)新型コロナウイルスの影響で売上が大きく落ち込んている
(2)栽培作物は今の季節が旬であり、今を逃せば収入が成り立たない
(3)やがて問題が解消されたとしても、今回の収入減を取り戻すのは不可能

この条件にあてはまる場合は、「事故発生通知」を保険窓口に提出しましょう。

そうすれば、「つなぎ融資」が受けられます。

「つなぎ融資」とは「収入保険」の保険金が支払われるのまで待てない方のために用意された無利息の融資です。
収入保険は年間の収入が確定してからでないと、補填をうけることができません。
個人であれば、確定申告が済んでからになります。
法人であれば、決算が済んでからになります。
しかし、
・運転資金は欠かすことができない
・人を雇っていてお給料を払わなければならない
こういった状況を救済してくれるのが「つなぎ融資」です。
収入保険の前払いとお考え下さい。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この記事では、新型コロナウイルスの影響をうけて困っておられる農家さんに向けて、次の情報をお伝えしました。

・農林漁業セーフティネット資金
・農業の収入保険

新型コロナウイルスにいついて、今のところ食品を介して感染したとの報告はありません。

しかし、間接的に農家さんが深刻な打撃を受けておられるのは事実です。

そこで有効な支援制度などを積極的に活用して早く立ち直り、前に進んでいきたいところですね。

これから春に向けて農業がますます盛んになっていきます。

早く新型コロナウイルスの影響から脱して、新しいシーズンが迎えられるよう頑張りましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。