畑に低予算で暗渠ができる!サブソイラーでの弾丸暗渠のメリット6選

弾丸暗渠アイキャッチ画像
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田んぼを畑に変えた場合、水はけが悪くて思うように作物が育たないケースが多いようです。

水田は水持ちが良いため、雨が降るとすぐに水が溜まります。
また田んぼの周りは同じく田んぼであることが多いため、周りから水が染み出てくることもあります。

畑の水はけを良くする方法の一つとして、サブソイラーを用いた弾丸暗渠を掘る方法があります。
トラクターにつける専用アタッチメントで掘る方法です。
これを使うことで、以前は大型機械でしかできなかった暗渠が、比較的簡単にできるようになりました。

そこでこの記事では、次のことを説明します。

(1)弾丸暗渠とは何か
(2)サブソイラーによる弾丸暗渠のメリット
(3)サブソイラーによる弾丸暗渠の施工方法
(4)サブソイラーで弾丸暗渠を掘る際の注意点

この記事を通じて、あなたの農地の有効活用の一助になれば幸いです。

目次

1.「弾丸暗渠」とはサブソイラーで掘った暗渠のこと

弾丸暗渠

1-1. 弾丸暗渠とは

弾丸暗渠とは、サブソイラーをトラクターで引いて掘った暗渠のことです。

またサブソイラーとは、弾丸暗渠を掘るための、トラクターにつけるアタッチメントのことです。

サブソイラー

末端に直径8~10cmの弾丸型器具(モール)がついており、深さ30~40cmの地中を振動しながら、暗渠を掘り進んでいきます。

※このモールが、いわゆる「弾丸」暗渠といわれる所以です。

1-2. 弾丸暗渠を掘る2つの目的

弾丸暗渠は、畑の水はけを良くする目的で行われます。

水はけの悪い土地では根腐れしやすく、作物がうまく育たない場合が多いです。
特に田んぼを畑にした場合など、もともと水持ちのよい土地ですからいつまでも水が残りがちです。
そこで、排水性を高めるために弾丸暗渠が施工されます。

また、畑の土壌を改良する目的でおこなわれる場合もあります。

サブソイラーはトラクターの刃の届かない深い地中を振動しながら掘り進みます。
普段、耕転できていない深さの土壌を砕いて、空気を送り込むことができます。
これにより土壌改良の効果が期待できます。

1-3. 弾丸暗渠がお勧めなケース

弾丸暗渠は次の場合にお勧めです。

(1)トラクターをお持ちの場合
(2)安く簡単に暗渠を試したい場合
(3)接道していない土地や、囲繞地など重機での暗渠工事が難しい場合

サブソイラーをトラクターにつけるだけなので、重機による方法に比べ、手軽に暗渠を掘ることができます。

そして、水はけが良くなる、作物が育ちやすくなる、収穫量が増える、農作業効率が上がる、などの効果が期待されます。

次章でメリットを詳しく説明します。

2. サブソイラーによる弾丸暗渠の6つのメリット

サブソイラーによる弾丸暗渠には、主に次の6つのメリットがあります。

(1)水はけが良くなる(排水性が向上する)
(2)作物への酸素の供給量が増える(土壌が改善できる)
(3)作物の収量が増える
(4)栽培できる作物の種類が増える
(5)重機による暗渠方法よりも低コストでできる
(6)重機による暗渠方法よりも自由度が高い

以下に詳しく説明します。

2-1. 水はけが良くなる(排水性が向上する)

水平穴

この直径8~10cm程の暗渠が畑の端まで続いています。

2~5m間隔で暗渠を掘るので、万遍なく水はけが良くなります。

またサブソイラーは作土の下にある心土を破砕するので、さらに排水効果を高めることができます。

作土と心土

作土 : 普段の耕作で耕される部分。トラクターの刃が届く深さで、表土ともいう。
心土 : 普段の耕作では攪拌(かくはん)されない部分。トラクターの刃が届かない深さ。

通常、トラクターでは刃が届く深さ(作土)までしか耕転されません。
そのため、その下にある心土は攪拌されない上に、トラクターの重みで踏み固められ、水を通しにくくなっています。

サブソイラーは、この通常の耕転では届かない心土を破砕して進むので、より排水効果を高めることができます。

2-2. 作物への酸素の供給量が増える(土壌が改善できる)

心土に空気

心土破砕で空気も送り込むことができるので、土壌を改善することができます。

心土は通常の耕転では耕されないので、押し固められ空気も無くなっています。
それがサブソイラーの振動により心土が破砕され、空気が送り込まれます。

作物によっては30cm以上の深さまで根を張るものもあります。
そういった作物に対して、土壌改善の効果が期待できます。

2-3. 作物の収量が増える

ダイズの収量アップ

水はけの良い土地で育つダイズ

水はけが良くなることで、根腐れしていた作物が元気になります。
病気も少なくなります。

これにより収量が増えることが期待できます。

2-4. 栽培できる作物の種類が増える

水はけの良いの農地で育つ大麦

水はけの良いの土地で育つ大麦

水はけの良い土地でしか栽培できなかった作物も植えられるようになります。

栽培できる作物の種類が増えれば、それだけ連作障害を避けてローテーションできるようになります。

2-5. 安く簡単にできる

サブソイラーの取付

弾丸暗渠は、トラクターにサブソイラーを付けて引くだけで掘ることができます。

重機を用いて掘る方法に比べて、安く簡単に掘ることができます。

2-6. 自由度が高い

弾丸暗渠は、トラクターが通れる場所ならどこでも掘ることができます。

重機が通れない狭いところや接道していない農地でも掘ることができます。

直線でも曲線でも自由自在です。

掘り方自由

3. サブソイラーによる弾丸暗渠の施工方法

サブソイラーによる弾丸暗渠は、次の2ステップでおこないます。

(1)出発点となる穴を掘る
(2)穴にサブソイラーを入れトラクターで引っ張る

3-1. 出発点となる穴を掘る

出発点の穴

サブソイラーの入り口にするため、50cmほどの穴を掘ります。

サブソイラーは、地表からいきなり潜ることはできません。
そのため、あらかじめ縦穴を掘る必要があります。

ただし単に穴を掘ればいいという訳ではありません。
流れ出てくる水を排出できるよう用水路とつないでおく必要があります。

なお、穴の幅は、サブソイラーが入る程度が必要です。

穴の深さは、心土まで届くよう30~50cm程度です。

3-2. 穴にサブソイラーを入れトラクターで引っ張る

引っ張る

入口の穴にサブソイラーを入れ横に引きます。

穴が掘れたら、その中にサブソイラーを入れ、トラクターで引っ張るだけです。

弾丸の深さは30~40cm(心土)に設定します。
なぜなら浅い作土の深さに設定してしまっては、耕転で耕されてしまうので意味がありません。

速度は通常の耕作の速度(2.5~6.0km/h)で構いません。

端まで掘り進んだらサブソイラーを地上に引き上げて、次の場所を掘っていきます。

弾丸暗渠の掘り始めの動画はこちら

4. 弾丸暗渠を掘る際の6つの注意点

この章では、サブソイラーで弾丸暗渠を掘る際の注意点を説明します。

せっかく時間と労力をかけて作業するのですから、最大限の効果を期待したいところです。

そのためにも、下記の注意点をご確認ください。

4-1. 畑がぬかるんでいる日は避け、乾いている日に行う

ぬかるんだ日

ぬかるんだ日の工事は避けるべき

畑がぬかるんでいると、暗渠を掘ってもトラクターの自重でつぶれてしまいます。

またトラクターもぬかるみにはまりやすくなります。
抜け出そうとして切り返すと、さらに土壌を押し固めてしまいます。

弾丸暗渠工事は畑が乾いている日に行いましょう。

4-2. 水平レベルにも注意|途中で盛り上がっていたら排水されずに溜まってしまう

平坦でない場合

サブソイラーは地面から一定の深さで暗渠を掘り進めます。
そのため地面が盛り上がっている部分があると、その部分の暗渠も盛り上がってしまいます。
そうすると、排水が途中で溜まってしまいます

もし地表で盛り上がっている部分があれば、そこを避けるか事前にならしておきましょう。

4-3. 1ヶ所から「扇形」に掘るよりは、明渠と組み合わせて「くし形」に掘る方が効果的

扇形のイメージ

「扇形」では、排水が一カ所に集中するので、そこが詰まったときに滞る恐れがある

「扇形」では、1ヶ所の穴を中心として扇形に掘ります。

穴を一つ掘るだけですので、下準備は簡単です。

ただし、集中している部分の穴がつぶれた場合、排水が極端に悪くなるリスクがあります。

くし形のイメージ

「くし形」では、暗渠の出口がそれぞれ明渠とつながっているので効果的

「くし形」では、まず明渠を掘ります。
そこから2~5m間隔で、平行して暗渠を掘っていきます。

暗渠が平行に走っているので、偏りなく排水効果が得られます。
またそれぞれの出口が独立しているので、排水がつまるリスクも少なくなります。

ただ、最初に明渠を掘る作業が必要です。

4-4. 排水場所は外部の排水路より十分な高さを保つ|大雨で逆流するのを防ぐ

逆流

排水経路も重要|暗渠に逆流してしまっては元も子もない

排水場所は、外部の排水路よりも十分な高さを保ちましょう。
なぜなら大雨のときに排水路から逆流してくる恐れがあるからです。

逆流してきた水が暗渠に浸入してしまうと、元も子もありません。

そういう点もふまえて排水経路を設計しましょう。

4-5. トラクターには馬力が必要|できればクローラーが良い

クローラー

クローラーは、けん引力が強く、ぬかるみにも強い

サブソイラーを引くにはトラクターにも馬力が必要です。

弾丸1本でも20馬力程度は必要です。
2連、3連となるとさらに馬力が必要になります。
(詳細はメーカーカタログなどを参照ください。)

また、できればタイヤよりクローラーの方が良いでしょう。
ただし、タイヤに比べて小回りがききにくいです。

4-6. 運転席にかなりの振動が伝わるため長時間の運転はできない

長時間は運転できない

サブソイラーは振動で弾丸暗渠を掘るので、運転席にもかなりの振動が伝わります。

そのため長時間の連続作業はNGです。
健康上の理由も考え、1日4時間程度にしておきましょう。

そうなると1日でできる面積は限られてきます。
それも計算に入れて工事計画をたてましょう。

4-7. トラクターのPTOの回転速度は取扱説明書のとおりにする

PTO

トラクターのPTOの回転速度は、取扱説明書通りにしましょう。

速度が速すぎるとサブソイラーへの負担が大きくなり、故障の原因になります。

逆に遅すぎると、トラクターへの振動が大きくなり、運転者への過度の負担がかかります。

適正な回転速度を守りましょう。

4-8. 効果は農地によって様々|まずは中古やレンタルで試してみる

農地によって効果は様々

弾丸暗渠の効果は農地によって様々です。

土質によっては長持ちしないこともあります。
崩れやすい土質の場合、一概には言えませんが、数ヶ月も持たないこともあります。

また農地の条件によっては十分な排水効果が得られるとは限りません。
まずは中古やレンタルで試してみるのも良いかと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この記事では、サブソイラーによる弾丸暗渠について次のことを説明しました。

(1)弾丸暗渠とは何か
(2)サブソイラーによる弾丸暗渠のメリット
(3)サブソイラーによる弾丸暗渠の施工方法
(4)サブソイラーで弾丸暗渠を掘る際の注意点

水はけの悪い畑は作物が思うように育たず、頭を悩ませていることと思います。

その点、サブソイラーによる弾丸暗渠は、解決方法の一つといえます。

この記事が、あなたの農地・農業に関するお困りごとの解決の一助になれば幸いです。

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