砂栽培|障害者・高齢者も活躍する高収益農業の15のメリットを解説

砂栽培
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「砂栽培」ってあまり聞きなれない栽培方法ですよね。
そんな隠れた栽培方法にたどりつかれた方は、ひょっとして砂栽培に少し興味をお持ちかも知れませんね。

では、こんなことが気になりませんか?

・「砂栽培」ってどんな栽培方法なのかな?
・「砂栽培」はどんなメリットやデメリットがあるの?
・「砂栽培」って儲かるの?

実は「砂栽培」は、1年間で10回も連作が可能な、非常に生産性の高い農法なのです。

さらに私たちは、「高床式」にグレードアップし、実証実験を重ねて成果をあげてきました。

この記事では、実際に高床式砂栽培を行ってみてわかった体験談をもとに、次の6つのことをご紹介します。

(1)砂栽培とはどんな農法なのか
(2)砂栽培の進化版、高床式砂栽培の概要
(3)高床式砂栽培のメリットとデメリット
(4)高床式砂栽培で育てることができる作物、むかない作物
(5)土耕栽培や水耕栽培との違いは何か

この記事を読むことで、この農法の収益性の高さをおわかり頂けることでしょう。

この「高床式砂栽培」は、次のようなことをお探しの方に、特にメリットがあります。

・新しい農業に取り組みたいと思っている方
・無農薬栽培に興味のある方
・1日数時間のパート感覚で農業収入を得たい方
・体力に自信はないが農業に興味がある方
・体(特に腰)を痛めているが農業を続けたい方
・内容が簡単で覚えやすい作業の「雇用」を創出したい方

 

最後までお読み頂けたら、農業の新しいカタチに出会えることと思います。

これからあなたが取り組もうとされている農業の比較・検討材料となれば幸いです。

 

 

目次

1. 砂栽培とは「砂」と「液体肥料」で作物を栽培する農法のこと

この章では「砂栽培」の全体像を解説していきます。
砂栽培とは、土の代わりに「砂」と「液体肥料」を使って作物を栽培する農法です。

砂栽培の全体像(高床式)

その歴史は1975年頃からはじまった比較的新しい農法です。
メリットがとても多いので現在ますます注目されている栽培方法です。

砂栽培は次の2つの特徴があります。

(1)連作障害がおきにくいので、同じ場所で繰り返し栽培ができる

(2)耕さなくていいので、高価な農業機械が要らない

連作障害とは?
連作障害とは、同じ場所で同じ作物を作り続けることで作物が育ちにくくなることをいいます。
何か作物を育てると、それにダメージを与える病原菌や病害虫が増えてきます。
同じ作物をつくり続けると、同じ病原菌や病害虫がさらに増えていきます。
これが連作障害の原因です。
また土壌の中にある特定の養分が過剰になったり不足したりするのも、連作障害の原因の一つです。

それぞれ詳しく解説します。

1-1. 砂栽培は連作が可能です

高床式砂栽培の砂のアップ

砂栽培に用いている砂

砂そのものには次の特徴があります。

・有機物が含まれていない
・通気性が良い

そこに植物栽培に最適な保水・保肥力を持たせると連作が可能になります。

また、作物が必要とする栄養分や水分以外は流れ落ちます。
そのため連作障害の原因の一つである養分の偏りもありません。

万が一、病原菌が蔓延したとしても、「砂」なので丸洗いすることができます。

栽培する作物によっては、なんと年に10回も連作が可能になります。
非常に生産性の高い栽培方法
なのです。

 

1-2. 砂栽培は耕さなくてもいい

農業を行う上で土を耕すのは当たり前のことです。
なぜなら土は雨が降ると固まりやすくなるからです。
空気が締め出され、植物にとっても息苦しい状態になります。
そのため何かを植えようとする際には、まず耕さないといけません。

一方砂栽培は、耕さなくてもいいのです。
なぜなら砂は固まりにくく、いつでも隙間がたくさんあるからです。

耕さなくてもいいということは、トラクター等の機械設備をいらないということです。

こんなメリットのある砂栽培ですが、さらにその進化版があります。
それを次にご紹介しましょう。

 

2. 砂栽培の進化版:高床式砂栽培とは?

砂栽培にはさらに進化版があります。

それは「高床式砂栽培」です。

高床式の画像

高床式のベッド

 

高床式砂栽培とは、腰の高さ程度の高床の上に10~15cm程の砂床を作り、そこで作物を栽培することです。
高床式にすることで腰を屈める必要がなく、体への負担が軽減され、作業効率も上がります。

 

砂栽培のメリット

 

 

水やりも自動でおこないます。
液体肥料を水で薄め、タイマーで自動潅水します。
水やりの手間もありません。

そのため農業初心者の方や高齢の方、車椅子の方や障がい者の方でも作業ができます。

 

高床式の腰への負担が少ない作業風景

高床式の腰への負担が少ない作業風景

 

では、この高床式砂栽培の特徴を次の章で詳しくご説明しましょう。

 

3. 高床式砂栽培の驚くべき15のメリット

砂栽培に高床式を組み合わせることで何倍ものメリットがうまれました。
一つずつご説明していきます

3-1. 植える前の土づくりが要らない

土づくり用の堆肥の山積み画像

山積みされた土づくり用の堆肥

砂栽培は、土づくりをする必要がありません。
なぜなら、砂にはもともと養分がないからです。
後から液肥によっていくらでもコントロールできるのです。

普通の土耕栽培の場合、植える作物にあわせた土づくりが必要です。
畑の土が泥質であればピートモスやヤシガラなどの土壌改良剤を入れて整えます。
バーク堆肥などを混ぜて調整することもあります。
土づくりに失敗すると、作物がうまく育ちません。

一方、砂栽培は何を植えるにもそういった心配は不要です。
土壌の専門的な知識が無くても始められるのです。

 

3-2. 植えてからの肥料管理が簡単

液体肥料の濃度調整装置

液体肥料の濃度調整装置

砂栽培は、植えてからの肥料管理も簡単です。

普通の土耕栽培の場合は、最初に土づくり(元肥)をした後も、様子をみながら追加で肥料をあげて(追肥)、最後に礼肥をあげることもあります。
この「元肥→追肥→礼肥」の肥料管理も難しいです。
いつどのタイミングでおこなうかには経験と知識が必要になってきます。

一方、砂栽培は肥料もコントロールしやすいです。
砂は、通気性に優れています。
植物栽培に最適な保水・保肥力もあります。
根圏環境に優れています。
液体肥料を水で希釈してタイマーで自動潅水するので、管理も簡単です。

作物は必要な栄養素を取り込み、不要な肥料は砂の層を通って水と一緒に流れ落ちます。
そのため、砂に余分な養分が残留しにくいのです。

さらに、年に1回程度、水シャワーで米とぎするように軽く砂を洗えば、残留養分がリセットされます。

つまり、砂を洗えば白紙の状態から農作物を育てられます。
だから「連作障害」が発生しにくいのです。

※「連作障害」については、「1. 砂栽培とは「砂」と「液体肥料」で作物を栽培する農法のこと」を参照ください。

 

3-3. 病気になっても砂を丸洗いすることで蔓延を止められる

砂栽培は連作障害の発生が非常に少なく、病気にもなりにくいです。

一般的な土耕栽培の土には、元々豊富な養分が含まれています。
バクテリア発生量が多く、作物を作るたびに土の中の環境が変わります。
そのため上手くコントロールしないと作物が病気になり連作の妨げになります。
この「上手くコントロール」という部分に経験値が求められます。
これが農業の難しさの一つでもあります。

しかし、砂栽培で利用する砂は、もともと栄養分を含んでいません。

液体肥料を与えることで農作物は必要な栄養素を取り込みます。
不要な栄養素は水と一緒に流れ落ちます。
そのため土壌病害の蔓延も少なくなります。

また、砂は細かな石ころの集合体です。
通気性がよく、自然に速やかに最適水分値にコントールできます。
過湿度の危険性も少なくなります。
そのため病気になりにくく健全な根が生育されます。

万が一病気が蔓延しても、砂を丸洗いで解決!

 

砂栽培では、病気が蔓延しても水シャワーで丸洗いして除菌することができます。
そのため、作物の天敵である「病気」に対して、対処が簡単です。

 

3-4. 年に10回の連作も可能で生産性が高い

砂栽培は、栽培作物によりますが年に10回の連作も可能な、非常に生産性の高い栽培方法です。

その理由は前章でお話ししたとおり、連作障害が少ないからです。

一般に土耕栽培では連作障害が発生しやすいです。
そのため一度作った場所ではしばらく同じ野菜は作りません。
ある程度の期間をあける「輪作」という対策をします。
その期間は作物にもよりますが、次の年限ぐらい空けるのが理想とされています。

作物のイメージ 野菜の種類 空ける期間
チンゲンサイのイメージ画像 チンゲンサイ 1年
トマトのイメージ画像 トマト  4~5年
ナスのイメージ画像 ナス 6~7年

 

続けて植えたい場合には、その都度土壌改良が必要になります。

他にも、違う野菜を植えたり、有機物を投入したりと対策方法は色々あります。
いずれにせよ、知識、経験、手間、コストが必要になります。

それに比べて砂栽培は、チンゲンサイもトマトもナスも同じ場所で、しかも年間に複数回栽培が可能です。

また、基本的に温室やビニールハウスの中で農作物を栽培します。
そのため、天候に左右されにくく生産性・安定性がとても高いのです!

 

3-5. 1回の栽培サイクルが短いので災害が起こってもダメージが小さい

高床式砂栽培の1日毎の苗の栽培状況

1日ずつ新しい苗を植えている(白札には種植え日が書かれいてる)

砂栽培は1回の栽培サイクルが短いです。
例えばリーフレタスだと25~60日で、平均44日前後です。
災害など不測の事態で作物がダメになった場合、確かにそのサイクルの努力は無駄になります。
しかし、リセットしてすぐに新しいサイクルを始められます。

一方、通常の野菜の栽培サイクルは年に1~2回程度です。
もし1年かかって栽培した作物に不測の事態でダメになった場合、その年の収穫が0になります。
そのダメージは計り知れません。

そういった意味でも、砂栽培はリスクの少ない栽培方法なのです。

 

3-6. 耕さなくてもいいので高価な機械が不要でコストを抑えられる

農業機械のイメージ図(トラクター)

土耕栽培でトラクターで耕す様子

一般的な畑や田んぼでは高額な農業機械が必要です。
また、機械のメンテナンスや燃料費、収納場所の確保など目に見えないコストがかかります。

それに比べて砂栽培は耕す必要がないので、特別な農器具は必要ありません。
最初に設備さえ整えれば、その後はスコップ・ハサミ・ヘラ程度の器具があれば栽培できます。

詳しくは「1-2. 砂栽培は耕さなくてもいい」を参照ください。

3-7. 少ない水と肥料で育つので環境に優しくランニングコストが安い

高床式砂栽培のランニングコストのイメージ図(灌水チューブ)

灌水チューブとリーフレタス(時間がくれば灌水される)

設備以外で砂栽培に必要なものは次の2つです。
・水
・液体肥料(作物が必要とする三大栄養素の窒素・リン酸・カリウムが入ったもの)

水や肥料の消費率は100%に近く、まったく無駄がありません。

また、植物の育ちたいという自生力を引き出すために、必要最低限の肥料と水しか与えません。
(これを『ストレス農法』といいます。)

そのため自動潅水に使う水や電気の使用量も少ないです。

水耕栽培で問題になる排水・廃液による環境汚染の心配などもありません。

省エネ栽培で環境に優しく、ランニングコストが安いのが砂栽培です。

 

3-8. 高床式なので腰を屈める必要がなく体への負担が少ない

高床式砂栽培の体に負担の少ない収穫風景

高床式砂栽培の体に負担の少ない収穫風景

砂栽培は高床式になっているので腰痛の心配が少なく、疲労も少ない農法です。
砂栽培は腰の高さ程度の高床の上に10~15cm程の砂床を作り、そこで作物を育てていきます。

そのため、腰を屈める必要がなく作業がとても楽で体への負担も軽減されます。

苗植え、収穫も簡単で、土と違って汚れません。
ピンセットやハサミなどの最低限の道具で植え付けや収穫が可能です。

栽培方法も簡単で地面を均し高さを合わせた高床式で通路幅を変更も出来ます。

農業初心者の方や高齢の方、車椅子の方や障がい者の方でも段差や移動も気にすることなく作業できます。
実際私たちは障害者施設との福祉連携も行っています。

 

 

3-9. 肥料と水のコントロールによって高品質の作物が育てられる

ストレス農法によるリーフレタスの生育画像

ストレス農法によるリーフレタスの生育画像(収穫待ち)

砂栽培で作った作物は、味が濃く日持ちが良いです。

必要最低限の水と肥料しかやりません。
適度なストレスを与え、植物の育ちたいと言う自生力を利用するのです。

この『ストレス農法』により、作物は自ら栄養を蓄え、強く美味しく育とうとします。

私たちが砂栽培で作っているリーフレタスなども、スーパーなどの卸業者さんや消費者の方に「なかなか萎れない」「長い間新鮮で美味しい」と、とても好評です。

ストレス農法によるリーフレタスの生育画像2

ストレス農法によるリーフレタスの生育画像(全景)

ストレス農法によるリーフレタスの生育画像3

ストレス農法によるリーフレタスの生育画像(アップ写真)

 

3-10. 土地選定の制約が少なく栽培を諦めていた土地を活用できる

土地条件の悪い農地でも建てられるビニールハウスの図

土地条件の悪い農地でもビニールハウスを建てて栽培できる

高床式砂栽培に、肥沃な土壌は必要ありません。

農地として使えないと諦めていた場所でも栽培可能です。
設備さえ整えば高品質な農作物を安定的に生産することができます。

3-11. 災害に強い ~ 平成30年7月豪雨でも作物への被害はゼロ

2018年7月近畿地方を中心とした記録的豪雨による浸水

2018年7月近畿地方を中心とした記録的豪雨による浸水でも被害ゼロ

砂栽培は高床式になっているので多少の水災害なら影響がありません。

西日本を中心に甚大な被害をもたらした「平成30年7月豪雨」の際、農地コンシェルジュのビニールハウスがある奈良県でも記録的な雨が降りました。
そして砂栽培をしているハウスも浸水してしまいました。

しかし高床式のため、作物への被害はゼロでした。

浸水が長引いたのでハウス内が高温多湿になりました。
その間は野菜が病気にならないよう常に気をつけました。
その甲斐あって作物への被害はありませんでした。

 

3-12. 虫の侵入がほとんどないので無農薬栽培に挑戦できる

高床式砂栽培では、地上部分と隔離されているため土中に潜む虫がほとんど入ってきません。

また、ビニールハウス内での栽培であれば飛来する虫も軽減します。

そのため、無農薬での栽培にも挑戦しやすくなります。

 

3-13. 作業が簡単で人に教えやすく手伝ってもらいやすい

高床式砂栽培の作業が簡単な事のイメージ図

育った苗を土に挿していくだけで定植完了

砂栽培は基本的に「ルーティーンワーク」です。

栽培作業はもちろん、ハウスの換気や潅水タイマーの調整、ベッドの掃除などいくつか作業はあります。
しかし、基本はルーティーンワークです。

簡単な作業ですので「覚えやすい」です。
家族や他の誰かに手伝ってもらう際にも、「教えやすい」「覚えやすい」というのは重要なことです。

実際の栽培手順については「5. 砂栽培の種蒔きから収穫までの4ステップ」を参照ください。

 

3-14. 天候に左右されず安定して出荷できる

高床式栽培のスケジュール管理用ホワイトボード

栽培スケジュールをホワイトボードで管理している

施設での砂栽培は一般の農業と違い、気候や地域の慣例に関係なくできる栽培方法です。

ビニールハウス内の為、天候に左右されません。
高床式で腰を屈めず移動も楽に出来るので、収穫のスピードも早いです。
雨や風で作物が汚れる心配が無いので、収穫後の処理にも時間がかかりません。

つまり、見込んだ数量を安定的に収穫し、出荷できます。

 

3-15. 生活スタイルに合わせて自由に栽培計画が立てられる

高床式砂栽培の収穫の後その日のうちに次の定植を済ませた様子

収穫の後、その日のうちに次の定植を済ませた様子

砂栽培は、ベッド数と作業時間をもとに栽培計画を自由にたてることができます。

例えば、高設ベッドが30列の場合、1日1列ずつ植えていけば1か月で植え終わります。
生育が早い季節であれば、最初に植えた作物が収穫時期をむかえています。
切れ目なく収穫と次の種植えを始めることができます。
毎日コンスタントにルーティンを繰り返すことができるのです。

逆に、すべての高設ベッドを家族で協力して1日で植えてしまうこともできます。
そうすれば収穫までは、一人で換気と水の管理だけおこなえばよいのです。
収穫の日になれば、同じように皆で協力し合えばまとめて出荷できます。

このように砂栽培は、ベッド数と作業時間にあわせて自由に栽培計画をレイアウトできます。
1日1時間単位のマイペースで作業ができるのです。

これこそが新しい農業のカタチです。

 

 

 

4. 高床式砂栽培の4つデメリット

この章では、高床式砂栽培を導入する上で知っておくべき4つのデメリットを記載します。

4-1. 最初の設備を作るのに、お金がかかる

ビニールハウスと高設ベッドの図

ビニールハウスと高設ベッド

高床式砂栽培は設備を作ります。
どうしても初期投資がかかります。

平均的な初期投資は次の通りです。

面積 費用
1m×1m 15,000円〜
500㎡ 7,500,000円〜
1000㎡ 15,000,000円〜

内訳としては、おおよそ次のようになります。

比率 内訳
40% ビニールハウス
40% 高設ベッド
20% 水回り設備、電気工事、その他

なお、規模が大きくなれば平米あたりの単価は安くなる傾向にあります。

 

4-2. 土耕栽培や水耕栽培などに比べるとまだまだ実績が少ない

砂栽培は、昭和50年代に研究・検証が始まったとされています。
一部の地域で精力的に行われているようですが、まだまだ全国的に普及していません。

長い農業の歴史を紐解いても実績はあまり明らかにされていません。
農政に関わる機関での実績データもほとんど蓄積されていないのが現状です。

そのため、過去のデータに基づいた根拠が少ないのです。

参考に私たちの実績データをご紹介します。

品目 生産回転数 最短成育日数 最長成育日数 平均成育日数 主な出荷先
リーフレタス 8.6回 25日 60日 44日 阪急オアシス・イズミヤ・近商ストア・生協・他産直系・飲食関係・直売等

 

4-3. ハウス栽培なのでやはり夏は暑い

ハウス内が高温を示した温度計

夏場、ハウス内が高温を示した温度計

夏場でのハウス内温度は40度を超えます
寒い冬時期でも天気が良く風が無ければ30度近くまでハウス内温度は上がります。

体温を超えてのハウス内作業は過酷です。

 

実践している冷却対策としては、次のようなことがあります。

・大型換気扇にて強制換気
・寒冷紗にて被膜

ちなみに、気温の高い日中にはお水はあげません。
涼しくなる夕方から夜にかけて潅水します。
そうすることで根が水を求め生きようとする力を最大限発揮します。

 

4-4. 栽培する野菜に合わせた施肥のコントロールが必要

灌水装置の液肥管理調整バルブ

複数の液肥を引き込むバルブ

自然界に生息する雑草は肥料をあげなくてもどんどん成長するものがほとんどです。

一方、砂栽培はこちらから与える液肥がすべてです。
野菜は肥料が無いと育たない品種もあるため、常にコントロールが必要です。

ただ、雨ざらしの露地栽培に比べるとビニールハウス内は管理がしやすいです。

 

 

灌水装置の水と液肥管理タイマーの図

水と液体肥料をこのタイマーで管理している

 

5. 砂栽培の種蒔きから収穫までの4ステップ

砂栽培は基本的に「ルーティーンワーク」です。

作業例として、リーフレタスの種蒔きから収穫までの作業をご紹介します。

STEP1. 播種(種植え)~ 種を一つずつポットに入れて苗を育てます

高床式砂栽培の種植え
STEP2. 定植(苗植え)~ 育った苗を高設ベッドに植えていきます

高床式砂栽培の苗植え
STEP3. 収穫 ~ 根元から収穫します

高床式砂栽培の収穫
STEP4. 出荷 ~ 袋詰めして出荷します

高床式砂栽培の出荷を待つレタスの図
STEP1. 播種に戻る

 

どうです?

驚くほど簡単でしょう。

もちろんその他にもハウスの換気や潅水タイマーの調整や掃除云々ありますが、基本はルーティーンワークです。

 

6. 高床式砂栽培で実績のある作物は現在19種類|特にリーフレタスが得意!

高床式砂栽培で実績のある作物には以下のようなものがあります。

種類 作物名
葉物野菜 リーフレタス、サニーレタス、ベビーリーフ、ほうれん草、小松菜、サラダ菜、水菜
、チンゲンサイ、パセリ、パクチー、バジル、クレソン、ケール、コリアンダー、小ねぎ、シャンパオ
実野菜 ミニトマト、トマト、オクラ

一方、高床式砂栽培では「育たないもの、育ちにくいもの」には次のようなものがあります。

・お米、サトイモ ・・・ 泥質土壌で育つものには、むいていません
・根菜類や大きく深く根を張るもの ・・・ 砂が浅いため、むきません

ただし、砂の量(厚さ)を調整することで栽培可能な作物もあります。

 

7. 高床式砂栽培と他の栽培方法をくらべてみよう

実のところ他の栽培方法にくらべてどうなのか、わかりやすいように一覧表にしてみました。

栽培方法 砂耕栽培高床式砂栽培 土耕栽培土耕栽培 水耕栽培水耕栽培
初期投資が安い ×
ランニングコストが安い
農業機械が要らない
栽培に手間がかからない
栽培技術を覚えやすい
体への負担が少ない
災害に強い
作物の品質が良い
面積当たりの収穫が多い
年間収穫回数が多い
トータルの収益性が高い

平均的な作物をもとに比較しています。
おおよその目安とお考え下さい。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

砂栽培、そしてその進化版の高床式砂栽培をご紹介いたしました。
伝統的な土耕栽培や最近流行りの水耕栽培以外にも、この様な栽培方法があることがおわかり頂けたと思います。

高床式砂栽培はたくさんのメリットがあります。
次のような方には特に向いていると思います。

・新しい農業に取り組みたいと思っている方
・無農薬栽培に興味のある方
・1日数時間のパート感覚で農業収入を得たい方
・体力に自信はないが農業に興味がある方
・体(特に腰)を痛めているが農業を続けたい方
・作業が簡単で覚えやすい内容の雇用を創出したい方。

高床式砂栽培はこれらの要望をすべてうけとめることができます。

高床式砂栽培にご興味を持った方、ぜひ私たち農地コンシェルジュの現場に見学に来てください。

きっと新しい農業スタイルが見つかることでしょう。

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