認定農業者はこんなに有利!超低金利融資と7つのメリットを徹底解説

認定農業者になるメリット
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

認定農業者という言葉を聞かれたことはありますか?
あるいは聞いたことはあるけど難しそうだなと敬遠していませんか。

でもこの認定農業者には様々なメリットがあるのです。
農家をされている方にとって、知っておいて損のない制度です。

そこで農業法人を立ち上げ認定農業者となった私たちが、実際のところを詳しくご説明いたします。

この記事を読めば、次のようなことがわかります。

(1)認定農業者になることで得られるメリット
(2)認定農業者のデメリット
(3)認定農業者になるための手続き
(4)認定農業者についてのよくある質問

そして、認定農業者になることで次のようなことができるようになります。

(1)補助金「強い農業・担い手づくり総合支援交付金」が受けられる
(2)アグリビジネス投資育成株式会社からの出資を受けることができる
(3)超低金利な融資「スーパーL資金」が受けられる
(4)経営所得安定対策(ゲタ・ナラシ)に加入できる
(5)農業者年金で社会保険料の国庫助成が受けられる
(6)「農業経営基盤強化準備金制度」で税制の特例措置が受けられる
(7)農業経営のスペシャリストに認定されたというステイタスが得られる

この記事を読むことで、認定農業者になるにはどうすればよいかがわかります。

認定農業者のことを詳しく知らない方。
認定農業者になりたいが何をしたらよいかわからない方。

この記事を読んで認定農業者となることで、あなたの理想の農業に一歩でも近づけるお手伝いができれば幸いです。

 

目次

1. 認定農業者とは制度的に認められた農業経営のスペシャリスト!

認定農業者制度とは、日本の農業経営基盤の強化をはかるための制度です。
農業経営のスペシャリストを制度的に認定し、先頭をきって担って頂こうというものです。
認定農業者になると、様々な支援措置が受けられます。

農林水産省のホームページにおいても下記のように紹介されていますので参考にしてください。
農林水産省HP「認定農業者制度について」

次の章からは、具体的にどのようなメリットが得られるかを一つずつ解説してきます。

 

2. 知らないと損!認定農業者が得られる7つのメリット

この章では、認定農業者が得られるメリットをご説明します。

農業をするうえで非常に心強い支援策が揃っています。
ぜひ認定農業者になられた上で、ご活用ください。

メリット1:補助金「強い農業・担い手づくり総合支援交付金」が受けられる

収益力強化と経営発展のために、農業用機械・施設の導入を切れ目なく支援してくれます。

具体的には次の3つのタイプがあります。

タイプ 支援の対象や目的
産地基幹施設等支援タイプ 地域農業で中心的となっている農業法人等、あるいは品質・衛生管理の強化等を図る卸売市場施設等が期間設備を整備するのを支援
先進的農業経営確立支援タイプ 広域に展開する農業法人等が、自らの創意工夫と判断により経営の高度化に取り組むのを支援
地域担い手育成支援タイプ 農業者が経営基盤を確立し、更に発展することを支援

農林水産省HP「強い農業・担い手づくり総合支援交付金」

 

メリット2:アグリビジネス投資育成株式会社からの出資を受けることができる

認定農業者になって出資を受けるイメージ図

「アグリビジネス投資育成株式会社」は、農業法人の発展をサポートするために設立された会社です。
日本政策金融公庫とJAグループが共同で出資しています。
審査に通れば出資を受けるとこができます。

もちろん「出資」ですから借入と異なり、「利息の支払い」や「約定返済」の義務はありません。

なお、審査に当たっては次の要件を満たす必要があります。

・農業法人の場合、認定農業者であること(認定農業者となることが確実な者を含む)
・法人設立後、3年以上の実績があること
・債務超過でないこと
・経常利益は、過去3年平均すると黒字であること
・借入金の返済は、当初条件どおり進んでいること
・会計は、複式簿記により行っていること…など

※設立後3年未満の新設法人の場合は、次の要件になります。

・農業法人の場合、認定農業者であること
・設立者の財務基盤が良好であると認められること
・事業計画の実現可能性が高いと認められること
・農業などに関する技術に相当の経験を有する者が従事するものであること
・会計は、複式簿記により行っていること…など

アグリビジネス投資育成株式会社HP|出資のしくみ

 

メリット3:超低金利な融資「スーパーL資金」が受けられる

認定農業者になって融資をうけるイメージ図

「スーパーL資金」とは、日本政策金融公庫が行う実質無利子に近い超低金利な融資です。
これも認定農業者に限定のものです。

経営状態によっては無担保・無保証人も可能になります。

日本政策金融公庫HP|スーパーL資金

 

メリット4:経営所得安定対策(ゲタ・ナラシ)に加入できる

「ゲタ対策」とは、畑作物について外国との間に生産条件の違いで価格差にある場合に、不利な部分を補填してくれるというものです。
「ナラシ対策」とは、米・畑作物の収入減少による農業経営への影響を緩和するために補填してくれるというものです。

名前の通りこの施策を受けることで経営の所得が安定します。

認定農業者であればこれらの支援を受けることができます。

農林水産省HP|ゲタ対策・ナラシ対策

 

メリット5:年金で補助が受けられる|農業者年金で社会保険料の国庫助成が受けられる

認定農業者になって年金優遇装置をうけるイメージ図

「農業者年金」とは、自営農業の個人農家が任意で加入できる年金で、国民年金(基礎年金)の上乗せ年金の一つです。

認定農業者でかつ青色申告者の場合は、その支払い保険料について月額2万円のうち1万から4千円の国庫補助を受けることができます。
なお補助を受けられる期間は最長20年ですが、細かな条件によって異なりますので、詳しくは下記を参照ください。
農業者年金基金HP|農業の担い手には保険料の国庫補助あり

 

 

メリット6:「農業経営基盤強化準備金制度」で税制の特例措置が受けられる

認定農業者になって税制優遇装置を受けるイメージ図

「農業経営基盤強化準備金制度」とは、交付金を積み立てた場合にその分を課税所得から控除できるというものです。
課税所得を少なくできるので、税金の支払いも少なくなります。

さらに、5年以内にこの積立金を取り崩して農地や農業用機械などを買った場合、一定の金額を課税所得から控除できます。
ここでも課税所得を減らせるので、税金も少なくなります。

つまり税金の影響を減らしつつ、交付金を有効活用できるということです。

農林水産省HP|農業経営基盤強化準備金制度

 

 

メリット7:農業経営のスペシャリストに認定されたというステイタスが得られる

認定農業者になると、国からの支援以外にも各地方自治体で様々な支援策があります。
認定農業者へ優先的に斡旋するものも数多くあります。

例えば、農地を集積・効率化した場合に農地の斡旋を優先的に受けられたりします。
細かなことはここではご紹介しませんが、各自治体や農業委員会に問い合わせて頂ければその優遇度合いがおわかり頂けるかと思います。

「認定農業者」は今後ますます期待される農業経営のスペシャリストなのです。

 

3. 認定農業者になるデメリットはたったコレだけ

認定農業者になるデメリットとしては「農業経営改善計画書」を5年ごとに見直さなければならないことです。
そして現行計画の達成状況などと合わせて新たな目標にむけた計画を作成し、再度認定を受けなければなりません。

これを「デメリット」ととるか「当たり前」ととるかは本人次第だと思います。

私達はこれを前向きに捉えています。

計画を作ることで現在の状況を詳しく見ることになります。
例えば次のようなことです。

(1)売上の推移や季節的変動
(2)販売単価
(3)仕入原価
(4)労務コスト
(5)廃棄ロスコスト

今までは成り行きに任せていました。
でも計画をたてるようになってからは、これらをきちんと調べています。
そうすることでいろいろな無駄が見えてきたのです。
そして一つずつ改善することにより、より一層効率の良い形にすることができました。
今では計画を作ることが一番のメリットではないかと考えています。

認定農業者は農業経営のスペシャリストです。
経営計画を定期的に見直すのは大変重要なことだと思います。

 

4. 認定農業者になるために必要な手続き

この章では、認定農業者になるために必要な手続きと基礎知識をご説明します。
制度的に認められたスペシャリストになるわけですから、きちんとした手続きが求められます。

この章を読むことで、認定農業者になるための手順が理解できるようになります。

まず認定農業者になるための簡単な流れを下記に示します。

STEP1. 農業経営改善計画の作成
↓
STEP2. 農業経営改善計画を市町村へ申請
↓
STEP3. 農業経営改善計画が認定され、認定農業者として認定書発行

それでは一つずつご説明します。

STEP1. 農業経営改善計画の作成

認定農業者になるには「農業経営改善計画書」が必要です

「農業経営改善計画書」には次の4つの項目を書く必要があります。

(1)経営規模の拡大に関する目標(作付面積、飼養頭数、作業受託面積)
(2)生産方式の合理化の目標(機械・施設の導入、ほ場連担化、新技術の導入等)
(3)経営管理の合理化の目標(複式簿記での記帳等)
(4)農業従事の態様の改善の目標(休日制の導入等)等

改善計画ですから、現状より効果的・効率的な工夫とともに生産性が上がっていなければなりません。

鉛筆をなめてなんとなくできあがった数字を埋めるだけではダメなのです。

 

参考に個別経営体の場合の記載例をお見せします。

認定農業者の農業経営改善計画認定申請書の記入例

また申請用紙については農林水産省のHPからダウンロードできます。
ページ中段の「農業経営改善計画の様式」をクリックすると、ワード、エクセル、一太郎のフォーマットがあります。
農林水産省HP|農業経営改善計画の様式

 

STEP2. 農業経営改善計画を市町村へ申請

作成した「農業経営改善計画」を市町村へ申請します。

市町村では次の基準にしたがって審査します。

(1)市町村の描く基本構想にあっているか
(2)農地を効率的かつ総合的に有効活用しているか
(3)計画達成の見込みが確実なものか

絵にかいた餅では通りません。
現実的な審査が行われます。

STEP3. 農業経営改善計画が認定され、認定農業者として認定書発行

農業経営改善計画が認定されますと、認定農業者として認定書が発行されます。

ちなみにこちらが私たち認定書です。

農業経営改善計画認定書

農業経営改善計画認定書

 

 

認定農業者となり、様々な支援がうけられるようになります。

 

5. 認定農業者制度の運用改善のためのガイドラインについて

認定農業者制度は平成5年も創設されました。
以来運用を重ねる中、関係者から様々な指摘がありました。
それを受けてより良いものとなるようガイドラインが示されました。

内容は目標所得の設定のことや、適切性・公平性の維持、支援体制の整備など多岐にわたっています。
農業経営改善計画の認定についても、より活用しやすくなるような対応方法が示されています。
制度の運用が適切に行われているかを検証するための基準等も示されています。
他にも認定農業者等の支援体制の整備を行われています。

ぜひ一度下記をご一読ください。
農林水産省HP|認定農業者制度の運用改善のためのガイドラインについて

 

6. Q&A|認定農業者についてよくある10の質問

この章では、認定農業者についてのよくある質問をご紹介します。

Q1: 所得目標って何ですか

A: 所得目標とは「農業経営改善計画書」に記載するものです。
効率的かつ安定的な農業経営を目指す上での目標となります。
年間所得や労働時間も含めてその地域の他の産業の生涯所得等に即して設定します。

 

Q2: どのな補助金がありますか

A: 様々な補助金がありますが、特に「強い農業・担い手づくり総合支援交付金」が有用です。
収益力強化と経営発展のために、農業用機械・施設の導入を切れ目なく支援してくれます。

詳しくは「メリット1:補助金「強い農業・担い手づくり総合支援交付金」が受けられる」を参照ください。

Q3: どんな融資が受けられますか

A: 様々な融資がありますが、特に有利なのがスーパーL資金です。
認定農業者限定の融資です。
経営状態によっては無担保・無保証人も可能になります

詳細は「メリット3:超低金利な融資「スーパーL資金」が受けられる」を参照ください。

Q4: どのくらいの人が認定を受けていますか

A: 平成30年3月末時点での認定農業者数は、240,665人です。
うち法人数は、23,648です。

認定農業者の認定状況(平成30年3月末現在)

Q5: 法人でも認定を受けられますか

A: はい、受けられます。
ただし、農業経営を営む法人でなければなりません。

 

ちなみに私たちも農業法人を立ち上げ、認定農業者として農業に勤しんでいます。

Q6: 認定農業者制度のガイドラインとは何ですか

A: 認定農業者制度がさらなる効率的かつ安定的な農業経営の確保・育成に貢献できるように示された指針です。
平成5年の創設以来運用を重ねる中で関係者から様々な指摘があり、それをもとにしめされました。

詳しくは「5. 認定農業者制度の運用改善のためのガイドラインについて」を参照ください。

Q7: 認定農業者になるとどんなデメリットがありますか

A: デメリットとしては「農業経営改善計画書」を5年ごとに作成しなければならないことです。
計画にも様々な要件がありますので、慣れない方にとっては大変だと思います。

詳しくは「3. 認定農業者になるデメリットはたったコレだけ」を参照ください。

Q8: 「農業経営改善計画書」にはどんな要件がありますか

A: 「農業経営改善計画書」には次の項目を盛り込まなくてはなりません。

(1) 経営規模の拡大に関する目標(作付面積、飼養頭数、作業受託面積)
(2) 生産方式の合理化の目標(機械・施設の導入、ほ場連担化、新技術の導入等)
(3) 経営管理の合理化の目標(複式簿記での記帳等)
(4) 農業従事の態様の改善の目標(休日制の導入等)等

 

詳しくは「STEP1. 農業経営改善計画の作成」を参照ください。

Q9: 認定農業者になるとどんな支援措置がありますか

A: 認定農業者になると、様々な支援措置が受けられます。

具体的には次のようなものがあります。

・補助金「強い農業・担い手づくり総合支援交付金」が受けられる
・アグリビジネス投資育成株式会社からの出資を受けることができる
・超低金利な融資「スーパーL資金」が受けられる
・経営所得安定対策(ゲタ・ナラシ)に加入できる
・年金で補助が受けられる
・「農業経営基盤強化準備金制度」で税制の特例措置が受けられる

詳しくは「2. 知らないと損!認定農業者が得られる7つのメリット」を参照ください。

Q10: 夫婦で受けることはできますか

A: はい、可能です。
家族経営で経営に参加している女性農業者などもパートナーと共に認定を受けることができます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この記事では、認定農業者についての次の4つのポイントをご説明しました。

(1)認定農業者になることで得られるメリット
(2)認定農業者のデメリット
(3)認定農業者になるための手続き
(4)認定農業者についてのよくある質問

認定農業者にはたくさんのメリットがあります。

一方で計画書を作らなければならないデメリットもあります。
しかし、それは見方を変えれば農業のスペシャリストとしては当然のことかもしれません。
経営計画を定期的に見直すのは大変重要なことだと思います。

何より今後さらに農業で頑張っていこうとする農家さんを応援する制度であることには間違いありません。

せひこの制度を活用し、農業のスペシャリストとして活躍してください。

その一端としてこの記事がお役にたてたら幸いです。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。