初めての田植えでも失敗しない!無駄なく効率をあげる12の心得を解説

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初めて田植えに挑戦しようとするあなたは、田植えについてこんな疑問をお持ちではありませんか?

・どうやったら隙間なく一面に植えられるかな?
・事前にどんな準備が必要?
・初心者に起こりがちなミスを防ぐ方法は?
・田植えを段取り良く進めるコツは?

ミスを未然に防ぐことができて無駄なく効率的な作業ができたら理想的ですよね。
特に初心者の場合、ちょっとしたミスでも戸惑ってしまい、その後の工程が大きく遅れる恐れがあります。

田植えは、事前の準備や当日の段取りで作業効率が大きく変わります。
そこでこの記事では、次の3つのポイントを具体的な図解入りでわかりやすくご説明します。

(1)準備段階で注意すべき4つのこと

(2)田植え当日におこなうべき6つのステップ

(3)田植え後に気を付けるべき2つのこと

記事の最後にはチェックリストも付けています。

最後まで読めばきっと自信をもって田植えに臨めるはずです。
そして、段取り良く効率的に田植えができるでしょう。

少しでも早く確実に田植えができる手助けになれば幸いです。

田植え開始

田植えに向けていざ出発!

 

1. 失敗しない田植えの心得|4つの事前準備

この章では、田植えの事前準備として必須の4つの事前準備について一つずつ解説していきます。

(1)田植えの時期は水利関係に従う
(2)田植え前の水深は浅めにする
(3)必要な苗の枚数を把握し準備しておく
(4)早起き・雨天決行

事前準備を確実にすることで当日の作業効率がぐっとあがります。

1-1. 田植えの時期は水利関係に従って決める

水門

田植え前の水深は、浅めにしましょう。

田植えの時期は、本来であれば苗の品種や地域の気候(特に気温・水温)によってある程度定まります。
もし自分の都合でいつでも水を引きこむことができるのなら、自分のスケジュールだけで時期を決めることができます。
例えば近くに川や水があって水門を開けば直接水を引き込める場合などです。

でも実際のところ、そのような恵まれた環境は少ないでしょう。
普通は用水路がはり巡らされており、順番に水を引き込んでいくことになります。

そしてその順番を決めているのが水利組合です。
大元の川を堰き止めて用水路に水を流すスケジュールを決めたりもしています。
もちろん気温や降水量等からその地域の最適な田植えの時期を考慮して決めています。

なので、稲作初心者であれば水利組合のスケジュールにしたがって自分の田植えの時期を決めるのがよいでしょう。

なお用水路にも接していない田は、隣の田から水を入れてもらうことになります。
その場合その農家さんのスケジュールにも左右されることになります。

そういったことも考慮して、自分の田にいつの水の引込日がいつになるかをきちんと把握しておきましょう。

1-2. 田植え前の水の深さは浅めにしておく

田植え前は水深を浅めにしておきましょう。

浅めというのは植えた苗が水に浸かりつつも、ほぼ水面から出ているくらいをいいます。

理由は次の通りです。

水がほとんど無い 土が固くて苗が刺さりにくい
水深が浅い 苗がしっかり刺さり安定する
土面が見えてコース取りがしやすい
水深が深い 苗が刺さっても不安定で抜けやい
土面が見えずコース取りが難しい
水を入れるのに時間がかかる

 

1-3. 田植えに必要な苗を確保しておく|目安は1反当たり20枚程度

苗の準備

苗の準備は万端です。

必要な苗を事前に把握し、準備しておきましょう。

マット苗の標準的なサイズは30cm×60cmで、1反あたり18~20枚程度必要です。
田植えの前日までに必要な枚数を確保しておきましょう。

なお、苗はすぐに手に入るものではありません。
早めに農協などに手配しておきましょう。
その際、田植えの日を聞かれることもあるので、目途をたてておきましょう。

また自分で苗を育てている場合は、生育状況も確認しておきましょう。

厳密にいうと、1反あたりマット苗は18枚で足ります。
しかし田植え機の条数を減らして植えたりすることもあり、苗のすべてが均一に減っていくわけではありません。
1条でも苗がなくなったら、必ず補充しなければなりません。
それを考慮すると、マット苗は余分に準備しておく方がよいでしょう。

 

1-4. 朝早く起き、多少の雨天でも決行する

田植えは多少の雨であれば決行です。

1-1.で説明したように、田に水を入れられる時期は限られています。
ベストのタイミングで田植えができる日はそんなにありません。
多少の雨であれば予定通り田植えをおこないましょう。

ただし、田の水位が大幅に上がるくらいの雨量だと要注意です。
土面が見えず田植え機のコース取りが難しくなるからです。
水深が深くなりすぎて苗が土にしっかり刺さらない恐れもあります。
集中豪雨に見舞われたら、様子を見た方がよいかもしれません。

また、田植えの当日は忙しいです。
前日までにできることは、必ず済ませておきましょう。

田の面積が大きかったり場所が分散していたりすると、時間もかかります。
田植えの日に朝早くからすぐに取りかかれるよう、事前に準備しておきましょう。

田植えと稲刈りどちらが忙しい?

この稲作の2大作業について、スケジュールに融通がきくか否かの観点で比べてみました。

作業 スケジュールに融通が利く点 スケジュールの制約が厳しい点
田植え ・朝早くから夜遅くまで、前が見える限り作業OK
・多少の雨でも決行可能
・水を入れるのが水利関係で決まるため、自分の都合でスケジュールが組めない
稲刈り ・自分の都合でスケジュールが組める ・雨が降るとコンバインがつまるのでNG
・朝露もNG(乾いてから作業開始)
・収穫後乾燥機にかける時間も見込んでおく必要あり

結果、どちらもノンビリしていられないですね。

2. 失敗しない田植えの心得|田植え当日の6つのポイント

事前準備が整ったら、いよいよ本番です。
当日の田植えで効率的な作業をするために次の6つのポイントおさえましょう。

(1)朝に搭載したマット苗がどのくらいで植え終わるか検討をつける
(2)田植え機にマット苗を何枚載せられるか把握しておく
(3)田植え機のコース取りを考える|注意すべきは植えた部分は二度と通れないこと
(4)苗の補給ポイント|接道のどこかに苗の補充ポイントを決め、次の苗を配置しておく
(5)ガス欠注意|田植え機の燃費を把握して、給油ポイントに燃料タンクを配置する
(6)肥料・除草剤は地元の農協や近隣農家さんに相談して決める

それでは一つずつ解説していきます。

 

2-1. 朝に搭載したマット苗がどのくらいで植え終わるか検討をつける

トラックに60枚載る

片側に3枚×5段=30枚 両側あわせて60枚載ります。(写真は30枚搭載時)

苗を保管している場所が、田に隣接していることなど希でしょう。
通常は軽トラで運ぶことになります。

この軽トラでは最大で60枚搭載できます。
1反で20枚程度が目安ですので、3反までなら取りに戻る必要はありません。

それ以上を植える予定なら、苗を取りに帰ることを計算に入れておきましょう。

無くなったことに気付いて慌てて取りに戻るといった行き当たりばったりはよくありません。

2-2. 田植え機にマット苗を何枚載せられるか把握しておく

田植え機に苗搭載

後ろにマット苗が8枚載ります。

 

田植え機に苗搭載

前にもマット苗が4枚載ります。

 

田植え機に載るマット苗の数も把握しておきましょう。

ちなみにこの田植え機は、マット苗が後ろに8枚、前に4枚の合計12枚載ります。

田の大きさが6畝(10畝=1反)を超える場合、必ず途中で補充が必要ということを事前に把握しておきます。

2-3. 田植え機のコース取りを考える|注意すべきは植えた部分は二度は通れないこと

田植えのコース取り

外周は最後に残して内側から植え始めます。

田植え機のコース取りにおいて、外周は最後に残しておくのが鉄則です。

代掻きと違って同じ道を何度も通れるわけではありません。
田植えをした部分はもう通ってはいけないのです。

なので外周を先に植えてしまうと帰り道が無くなってしまいます。

また田植え機でターンをする度に土をえぐっています。
最後に外周を通ることで、それらを整えることもできます。

田植え機の入る場所やターンのしやすさをもとにコース取りを考えましょう。

田植えの参考コース

田植えの参考コース

 

【田植え機のコース取りの考え方】

(1)田植え機の幅(何条植えか)を確認
(2)外周を回って出口から出る道をまず決める
(3)内側を植えるのに何往復かかるか計算する
(4)内側の最後のターンできっちり植え終わる場合は、そのまま外周を植えながら回って出口へ向かう
(5)内側の最後のターンで外周コースにはみ出る場合は、外周コースを差し引いた残りの幅だけ植える
※この時、必要な条数だけ植えるので、苗の減り方が均一でなくなる
(6)最後は、当初設定した外周コースを植えながら回って出口へ向かう

 

2-4. 接道のどこかに苗の補充ポイントを決め、次の苗を配置しておく

苗の補充

補充ポイントを決めておけば、田の中を走らなくてもよい

田が広くて田植え機に載っている苗だけでは足りない場合、コース取りをみてどのあたりで苗がなくなるか見当をつけましょう。
そしてその手前のどこか接道している場所に、補充用の苗をあらかじめ置いておきましょう。

そのポイントに差し掛かったら田植え機を止めて補充用の苗を載せます。
そうすれば田植え機から降りることなく田植えを続けられます。

何も準備せずに苗を使い切ってから田を横切って苗を取りに行くのは、本当に無駄な動きです。
それにせっかく代掻きできれいにした田に足跡をつけるのは、苗の生育に悪影響です。

2-5. 田植え機の燃費を把握して、給油ポイントに燃料タンクを配置する

燃料

燃料の準備も忘れずに

苗だけでなく、燃費も注意しましょう。

今回使用している田植機では、燃料満タンで2反植えることができます。
逆にいうと2反を超える面積を植える場合は、燃料の補給が必要です。

接道するポイントを早めに決めておき、そこに燃料を準備しておきましょう。
途中で別の田へ移動する場合があるなら、次の田へ移るタイミングで給油するのがよいでしょう。

事前準備せずに田の真ん中でガス欠して、田植え機が止まってしまうなんて目も当てられません。
燃料タンクを担いで田を横切って、田にこぼれないように給油するのは、想像しただけでつらいですよね。

 

2-6. 肥料・除草剤は地元の農協や近隣農家さんに相談して決める

田植えと同時にまく肥料

田植えと同時にまく肥料を田植え機にセット

田植えの後は、草刈り機が使えなくなります。

そのため、除草剤は必須です。
代掻きや田植えのどのタイミングでするか、粒状か液体かいろいろ選択肢があります。
肥料や除草剤の量は地域によって様々です。

田植え後は大型機械は入れないので、苗に均一に混ぜ込めるのは田植えの時が最後です。
苗にダメージを与えずにかつ十分な効果を得るためにも、デリケートな使い方を心がけましょう。

なお、慎重を期すためにも、必ず地元の農協や近隣の先輩農家さんに相談して、適量を使用しましょう。

【肥料・除草剤を自分で決めてはいけない3つの理由】
(1)調整が難しいので、長年その地域でやってきた人を参考にするのが一番良い
(2)使い過ぎた場合、水が隣の田へ流れこんだり大雨で付近一帯に広がった場合に多大な迷惑をかけてしまう
(3)少な過ぎると害虫や病気を発生させてしまい、やはり周りに迷惑をかけてしまう

また地域によっては除草剤の散布スケジュールを作成しているところもあります。
市区町村の農業委員会などに相談してみるのもよいでしょう。

参考:下の画像は、JA奈良が公開している『水稲標準除草体系』です。画像をクリックするとPDFが表示されます。

水稲標準除草体系

 

3. 失敗しない田植えの心得|2つの事後管理

田植えは、終わってからが本番です。
収穫と来年の作業に向けて2つの事後管理が欠かせません。

(1)田植え後は水位に注意|田植えの直後は深くし、苗の活着後は浅くする
(2)田植え機のメンテナンス

一つずつ解説していきます。

3-1. 田植え後は水位に注意|田植えの直後は深くし、苗の活着後は浅くする

田植えが無事完了

田植えが無事完了

田植えの時には苗が刺さりやすいよう水を浅めにしました。
しかし、田植え後は水を増やしてやや深めにしておきます。

季節的には暖かいですが、それでも朝晩冷えることもあります。
田植え直後の苗を寒さから守るために水を深めにして保温します。

苗が活着したら、今度は除草剤の効果を出すために浅水にします。

水の管理はいつまでも必要です。

3-2. 田植え機の事後メンテナンスをしておく

使用後の田植え機

田植え機さん、今年もお疲れさまでした。また来年もよろしくお願いします。

田植え機は田植えの時しか使いません。

今年度の田植えがすべて済んだら、来年まで一切動かさないかもしれません。

田植えの作業でお疲れのこととは思います。
でも、いざ使うときに困らないためにも、その日のうちにメンテナンスをしておきましょう。

(1)泥がついていたらきれいに洗い流しましょう。
(2)駆動部分にはグリスなどを塗布しましょう。
(3)ガソリンなどの燃料は1カ月以上放置すると劣化するので、抜いておきましょう。
(4)バッテリーがあがってしまわないよう、マイナス⊖端子も外しておきましょう。

もし、親から譲り受けた機械を使っておられるなら、より一層きちんとメンテナンスしておきましょう。

気になるようでしたら、農機具屋さんに点検を依頼しておくと安心です。

4. 田植えで失敗しないためのチェックリスト

田植えで失敗したいためのポイントをチェックリストにしました。

【事前準備編】
田には浅く水がはられているか
マット苗は必要な枚数が揃っているか (1反当たり20枚が目安)
田植え機のエンジンはかかるか、各機能は正常に動作するか
燃料は準備したか (カタログで燃費を確認)
肥料は決められた量を準備したか
【当日編】
天気予報は確認したか (雨でも可能だが、水位が変わるぐらいの降水量は要注意)
雨なら雨具を用意したか
帽子・長靴などの身の回り品は準備したか
水分補給は大丈夫か
田植えのコース取りは決まっているか
マット苗の補充ポイントは決まっているか
燃料の補充ポイントは決まっているか
【事後管理編】
田植え後の水位は十分にあるか
田植え機はきれいに洗ったか
【今年度の田植え終了後】
田植え機の燃料は抜いたか (燃料が酸化すると故障の原因になるので年を越さない)
田植え機のバッテリーのマイナス̠⊖端子を外す (バッテリーがあがるのを防止)
田植え機で気になるところがあるなら点検を依頼する (オイル交換などもあわせて依頼)

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この記事では次のことをご説明しました。

(1)準備段階で注意すべき4つのこと

(2)田植え当日にするべき6つのステップ

(3)田植え後に守るべき2つのこと

田植えは事前準備やコース取りなどいろいろ注意点があり、不安になるかもしれません。
でも一つ一つ確実におさえていけば決して難しいものではありません。

さらに、やり方次第で効率化が図れることがおわかり頂けたかと思います。

これから田植えにチャレンジしようとされている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

 

田植えを成功に導く「代掻き」について、詳しく知りたい方はこちら。

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