農業代行・委託サービスとは|料金の目安とトラブル回避の10の方法【契約書雛型付】

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農地・農業に関して次のことでお困りではありませんか?

・農業を続けるのがしんどくなってきた。
・維持管理が追いつかず雑草がいっぱいで、ご近所からクレームが出ている。
・稲作をなんとかがんばって続けようと思うが、田植えと稲刈りだけは誰かに手伝ってもらえないだろうか。

近頃、同じような悩みをもった農家さんがたいへん増えてきています。
それにともない、農業代行・委託ビジネスも盛んになってきました。

でも、いざお願いしようとすると、わからないことが多くて不安になりますよね。

そこでこの記事では、次のことを説明します。

(1)農業代行・委託サービスの概要
(2)農業代行・委託サービスと農地賃貸借との違い
(3)農業代行・委託サービス料金の目安
(4)手数料の確定申告での処理の仕方
(5)農業代行・委託サービスの契約にあたって知っておくべき事項
(6)ソーラーシェアリング下部での営農代行特有の注意点

また、参考に農作業受委託契約書の雛型もお付けします。

あなたの農地・農業に関するお困りごとの解決の一助になれば幸いです。

目次

1. 農業代行・委託サービスの概要

この章では、農業代行・委託サービスの概要を説明します。

どういった内容なのか、どこまでお願いできるのか気になるところですよね。
漠然とわかっていても、具体的にはイメージしにくいのものです。

この章を読めば、農業代行・委託サービスの基本的な内容が理解できます。

1-1. 農業代行・委託サービスとは「農作業」や「農地の維持管理」を代わりにやってくれること

農業代行

農業代行・委託サービスとは、農作業農地の維持管理を代わりにやってくれるサービスです。
例えば具体的には次の内容があります。

(1)農地が耕作放棄地とならないよう、農業および維持管理全般をお任せする。
(2)希望する作物について、定植から収穫までの一連の栽培業務を請け負ってくれる。
(3)田植えや稲刈り等の人手が必要な時だけ、「助っ人」に入ってくれる。
(4)草刈りや防草シート張りなど、単発の作業を請け負ってくれる。
(5)ソーラーシェアリング下部での「営農」を代行してくれる。

本来は農地所有者がすべきことを、代わりにやってくれるのが農業代行・委託サービスです。

具体的な作業内容はすべては契約次第です。
双方の話し合いで何でも決めることができます。
ただし農地・農業にまつわる責任は農地所有者側に残っています。

あくまで農業(農作業)の「代行」サービスです。

1-2. 農業代行・委託サービスと「農地賃貸借」との一番の違いはお金を「払う」か「もらえる」か

請求書

自分の農地で他人に農業してもらう方法として、他にも「農地賃貸借」があります。

両者は似ていますので、理解しやすいよう一覧表にまとめました。

農業代行・委託サービス 農地賃貸借
農業(農作業)をする人 代行者 借り主
お金の動き 代行者へ手数料を支払う 借り主から賃借料をもらえる
収穫物の権利 農地所有者が得る 借り主が得る
農地維持管理・草刈り責任 農地所有者に責任があるが契約次第で変更可 借り主側の責任
水利組合等への参加 農地所有者(契約で変更可) 農地所有者(契約で変更可)
クレーム発生 農地所有者が対応 借主が対応
災害時の復旧負担 農地所有者の負担 借り主側の負担
メリット ・農地に関する権利は手元に残る
・契約次第でいろんなことをお願いできる
・草刈りを含めた農地の維持管理から解放される
デメリット ・農地の煩わしい義務や責任は基本的に残る
・契約外のことは引き続き手をとられる
・小作権(注意事項参照)が発生し、農地の売却が難しくなる

両者の最も大きな違いは「手数料を払う」か、「賃借料をもらう」かにあります。
そこだけに着目すると農地賃貸借の方が良さそうに見えます。

しかし、農業人口が減っていく中、お金を払って農地を借りてくれる人を見つけるのは困難でしょう。
さらに将来的に農地の相続や売却を考えている場合、小作権(注意事項参照)が存在すると自由が利かなくなる恐れがあります。

そのような観点から、農業代行・委託サービスの方を選択する方が増えているようです。
その心情は、おそらく次のとおりでしょう。

炎天下の草刈りは本当にツライ。
かといって放置したら近所からクレームがでる。
農地を借り手くれる人も見つからないし。
これを何とかしてくれるなら、多少お金がかかっても構わない・・・。

耕作放棄地が急速に増えていく昨今、農業代行・委託サービスはますます拡大していくに違いありません。

耕作放棄地

【小作権について】
小作権とは、農地所有者以外の人が他人から農地を借りて農業を営むことができる権利です。
農業委員会に3条申請を届け出る必要があります。
強い権利を持つ地主から、弱い立場にある小作人を守るための権利です。
しかし、近頃は形勢が逆転しているようです。
地主が農地を売却したくても、小作権があるために自由に処分できないのです。
いわゆる賃貸住宅における居住権みたいなものです。

2. 農業代行・委託サービスの料金の目安

この章では、農業代行・委託サービスの料金について説明します。

全国農業会議所が2014年に「農作業料金・農業労賃に関する調査結果」を報告しています。
これは都道府県農業会議の指導のもと市町村農業委員会が行った農作業料金の全国調査です。
この内容を参考にしながら、農作業に関する料金の実態を解説します。

この章を読めば、契約金額のおおよその目安がわかるようになります。

2-1. 取り決めた農作業を一定期間代行する「定期契約」の場合の料金の目安

現在の農業をそのまま代行してもらいたい場合などは、定期契約が適しています。

具体的には次のケースです。

・体調不良でしばらく農業できないが、再び始めるまで現状を継続して欲しい。
・農家の跡継ぎが決まるまで、なんとかつないでほしい。

料金体系は、水稲かそれ以外でわかれます。

水稲の場合は面積単位(10a=1反当り)を基準に計算する

稲作

水稲の農作業料金の目安は次の通りです。

作業内容 10a(1反)当りの平均金額
水稲の全面委託 80,000~90,000円
上記のうち苗・除草剤・肥料・農薬代は除く 60,000~70,000円

水稲は面積単位で計算することが多いです。
なぜなら水稲は「耕起&代掻き~田植え~稲刈り」の一連の作業がはっきりしており、どこでもだいたい同じなので面積(10a=1反)単位で一律に計算する方が簡単でわかりやすいからです。

 

一般的な農作業は日当あるいは時間給を基準に計算する

一般的な農作業

一般的な農作業の料金は次のステップにしたがって算出します。

(1)依頼したい作業内容を整理し、所要日数や所要時間を割り出す
(2)日当あるいは時間給をかけて算出する

水稲以外の一般的な農作業は、日当や時間給で計算することが多いようです。
なぜなら栽培する作物によって面積あたりにかかる農作業が千差万別だからです。

植えた後収穫まで放置できる作物もあれば、肥料・薬剤散布や枝の剪定に手のかかるものもあります。
簡単な作業もあれば、知識と経験の問われる作業もあります。
施設栽培では温度管理や灌水管理などの特有の作業もあります。
これらを面積あたりで金額を決めるのは無理があります。

(1)依頼したい作業内容を整理し、所要日数や所要時間を割り出す

依頼したい内容を次の観点から整理します。

(1)1日どのくらいの時間がかかるか
(2)植えてから収穫まで何ヶ月かかるか
(3)専門性の高い作業か、誰でも手伝える作業か
(4)専用機械の運転技術が必要か

これらも含めて様々な条件をもとに所要日数や所要時間を計算します。

(2)日当あるいは時間給をかけて算出する

割り出した所要日数や所要時間をもとに下記の金額を用いて計算します。

難易度 平均日当(1日8時間) 平均時間給
オペレーター賃金(※) 10,000~15,000円 1,300~1,600円
専門性の高い作業 8,000~10,000円 1,000~1,200円
一般的な作業・軽作業 6,000~8,000円 850~900円

(※)オペレーター賃金とは、トラクター等の専用機械を運転している時間に対して支払われる賃金です。

オペレーター

ただし、農業は単純な数字で割り切れるものではありません。
たくさんの付帯作業がありますので、そのあたりももれなく計算しましょう。

2-2. 単発作業契約の料金の目安

特定の作業で助っ人に入ってもらう場合は、単発の作業契約が適しています。

水稲の場合は作業ごとに単価がわかれている

稲刈りの助っ人

先にも説明しましたが、水稲は「耕起&代掻き~田植え~稲刈り」の一連の作業がはっきりしており、どこでもだいたい同じなので、面積(10a=1反)単位で一律に計算する方が簡単でわかりやすいです。

各作業の料金の目安は次の通りです。

作業内容 10a(1反)当りの平均金額
耕起 7,000~9,000円
代掻き 7,000~9,000円
耕起から代掻きまで 15,000~18,000円
機械による田植え(苗代含まず) 7,000~9,000円
防除 1,800~2,000円
機械による稲刈り 18,000~20,000円
稲刈りから乾燥・調製まで 30,000~35,000円
乾燥・調製 1,700~1,900円

 

一般的な農作業は日当あるいは時間給を基準に計算する

一般的な農業

一般的な農作業の料金は、2-1.で説明したのと同様に、依頼したい作業内容を整理し単価をかけて計算します。

水稲以外の一般的な農作業は、単発作業の場合も日当や時間給で計算することが多いです。
お願いしたい作業がどのくらいの時間がかかるのかを想定し、金額計算します。

料金の目安は次の通りです。

難易度 平均日当(1日8時間) 平均時間給
オペレーター賃金(※) 10,000~15,000円 1,300~1,600円
専門性の高い作業 8,000~10,000円 1,000~1,200円
一般的な作業・軽作業 6,000~8,000円 850~900円

(※)オペレーター賃金とは、トラクター等の専用機械を運転している時間に対して支払われる賃金です。

単発作業には、農薬や肥料の散布、シート張りやビニールハウスの張り替えなど様々な作業があります。

そこには、作業費以外に薬剤や肥料代、部材の金額が含まれている場合もあります。
可能であれば合い見積もりをとる等して比較検討することをお勧めします。

草刈り料金は面積だけでなく「刈り易さ」や「草丈」も関係する

大型機で草刈り

草刈りは、独特の料金体系があります。

参考に農地コンシェルジュの草刈り料金を紹介します。
なお、金額は平米単価(円/㎡)です。

草丈 田んぼの畔・法面・傾斜地・その他 300㎡以下の狭い土地 10aまでの土地 10aを超える広大な土地
30cm以下の刈り易い雑草 200円/㎡ 150円/㎡ 120円/㎡ 100円/㎡
1mまでの比較的固い雑草 250円/㎡ 180円/㎡ 150円/㎡ 120円/㎡
1mを超える茎の太い雑草 300円/㎡ 200円/㎡ 180円/㎡ 150円/㎡

このように細かく分かれるのは、次の理由があるからです。

(1)広大な面積でも、平地で背の低い雑草が均一に生えているなら、大型機械で効率よく刈れる。
(2)狭い場所で大型機械が入れない場所は、小型草刈機で刈ることになり労力が増える。
(3)法面(堤防など斜めの部分)は平地に比べ、さらに労力がかかる。
(4)田んぼの畔は、面積は狭くても刈りにくく時間がかかる
(5)小石や砂利があったり近くに人や物がある場合は機械では危険なため、手で刈ることになり相当な手間がかかる。
(6)雑草の種類によっては「つる」が草刈り機に巻き込むものや茎が樹木並みに固いものがあり、見た目より手間がかかる。

そのため事前に見積する業者が多いです。

草刈りは何も生み出さない作業なので、できるだけお金をかけたくない気持ちもわかります。
かといって、自分でやるとなるとそれなりの時間と労力がかかります。
特に、炎天下では相当な覚悟が必要です。

草刈りを頼みたい土地がどのような状態なのかをよくみてから検討しましょう。

猛威を振るう雑草

2-3. すべておまかせの年間契約の料金の目安

すべておまかせの年間契約の料金の目安は、次の通りです。

代行条件 10a(1反)当りの平均金額
とりあえず雑草のクレームだけは出ないようにしてほしい 0~数十万円
ソーラーシェアリング下部で目標収量は維持して欲しい 30万~50万円

すべておまかせの年間契約を依頼されるケースとしては、次のものがあります。

(1)農業をやめたいが、農地を荒らすと近所から白い目で見られそう。
(2)農地を相続で譲り受けたが、遠方のため管理ができない。
(3)ソーラーシェアリングの下部で農業する義務があるが、20年間も続けられるか不安だ。

(1)や(2)はまわりからクレームが出なければ何を栽培していてもいいという条件が多いです。
草刈りから解放されたら、他に何も言うことはないという感じです。

一方、(3)のソーラーシェアリングの場合は、20年間農業を継続する義務があるので、代行の依頼も切実です。
金額が相対的に高くなるのは、収量目標を維持する必要があるからです。
また売電収入があるので、その必要経費として試算できるからです。

詳しくは次の記事を参照ください。

 

3. 確定申告では作物収入があるかどうかで処理が異なる

この章では、農業代行・委託サービスの費用について確定申告での処理の仕方を説明します。

これは農家としての作物収入があるのかどうかで異なります。

この章を読めば、適切な会計処理ができるようになります。

3-1. 農家としての作物収入がある場合は「支払手数料」として処理する

確定申告

農家としての作物収入がある場合は、農業代行・委託サービスの費用は支払手数料として処理できます。

代行作業そのものから農業収入が得られるならもちろん費用処理が可能です。

また、草刈りやシート張りなどその作業そのもので収入が得られなくとも、他に農業収入があるのなら必要経費として処理できます。

3-2. 農家としての作物収入がない場合はただの現金支出となる

現金支出

一方、農家としての作物収入が全くない場合は費用処理はできません。
農業代行による支払手数料なので、農業収入とセットで考えなければならないからです。

また、あなたがサラリーマンで、そもそも確定申告もしない場合はただの現金支出となります。

 

4. 具体的なトラブルでわかる!農業代行・委託サービスを契約する際に決めておくべき7つのこと

トラブル1:草刈りで追加料金を請求された

回避策:草刈りは作物栽培とは区別して一つの仕事として見積り話し合っておく

草刈り

草刈りを単発作業で依頼するなら、当然その代金は支払います。
しかし、作物栽培の定期契約を定額で支払っているなら、付帯作業として契約の範囲内で草刈りして欲しいところです。

ただ、草刈りには相当な時間とコストがかかります。
それに夏場にがんばって草刈りしても、1ヶ月もたたないうちに元の状態になっています。
作物の栽培よりも草刈りの方が大変な場合もあります。

代行する側としても無視できない労力なのです。

あとあとトラブルにならないよう、一つの仕事として見積り話し合っておきましょう。
防草シートを張るのであれば、その費用についてもどちらが負担するのか、あわせて決めておきましょう。

トラブル2:水利組合の会合や諸々の行事には参加できないといわれた

回避策:農地にまつわる組合参加業務は原則農地所有者の責任なので、どこまで依頼できるか相談する

農地に関する決め事は地域によって様々です。
その土地にしかないローカルルールもたくさんあります。

例えば用水路の管理や、共有地の草刈りが当番制になっている等。

農家側にしてみれば、農業するんだから水利組合への参加は当たり前だと思い込んでることでしょう。
しかし、代行はあくまで農作業だけですので、組合への参加は関係ないともいえます。

どんな管理業務があるかは事前に説明ましょう。
そして原則は農地所有者が引き続き参加することを前提に、どこまで代行業者にお願いできるか相談してみましょう。

トラブル3:依頼どおりに農業しているのかわからない

回避策:完了報告の方法・回数について書面で決めておく

遠方に住んでいると、農作業の状況はなかなか確認できないものです。

代行業者に電話すると「ちゃんとやってますよ」と言われたとします。
しかしご近所から「農地が荒れてるよ」と聞かされました。
こうなった原因は「ちゃんと」とは何かが曖昧なことにあります。

こういったケースに備えて、完了報告の方法・回数等について明確に決めておくべきです。

決めるべきこととしては次の通りです。

(1)報告方法・・・文書、メール、写真など
(2)報告回数・・・週1回、月1回、半年に1回など
(3)報告内容・・・定植数、作物の生育状況、収穫数など

最近は誰でもスマホで簡単に画像が送れます。
草刈りの代行であれば、ビフォア&アフターの写真を撮って送ってもらうのも良いでしょう。

ビフォアー(草刈り前)

ビフォアー(草刈り前)

 

アフター(草刈り後)

アフター(草刈り後)

トラブル4:収穫高が落ちている

回避策:収量の基準を決めておく

代行業者がその農地に不慣れであれば、収量がおちることもあり得ます。
あるいは代行業者が新しい作物を選んだ場合、環境にそぐわず不作となる恐れもあります。

場合によっては、「水はけが悪くて作物がうまく育たないから」と代行業者が言い訳することも考えられるでしょう。

開始当初はやむを得ないこともあります。

しかし、作物収入から代行手数料をまかなう予定であれば、収量が落ちるのは避けたいところです。

代行とはいえプロなのですから、一定の収量は確保してもらえるよう基準を約束しましょう。

トラブル5:災害にみまわれた|台風で作物が全滅し復旧にお金がかかる

回避策:復旧作業だけでも協力してもらえるようお願いしておく

強風で倒壊したビニールハウス

災害にみまわれた場合は復旧作業だけでも協力してもらえるよう、お願いましょう。

農業はいろんなことが起こります。

・大雨で水につかり作物が全滅した
・台風でビニールハウスが倒壊した

こういった場合、本来は農地所有者側の全面負担で復旧すべきところです。
壊れた資材も揃えるべきでしょう。

しかし、困ったときはお互い様です。
復旧が長引けば代行業者も農作業が開始できずに困ることになります。

こういった事態に備えて、復旧作業については協力してもらえるようお願いしましょう。

トラブル6:農地を売りたいので解約したいのだが、、、

回避策:「解約は○○ヶ月以上前に通知の上」という文言を盛り込む

代行業者は農業を行うにあたって、農業機械を新調したりすることもあり得ます。
代行とはいえ、受託側の都合もあるのは事実です。

相手の都合を考えない一方的な解約は、やはりよくありません。

将来的に売却するつもりがあるのであれば、そういったことも伝えた上で契約しましょう。

契約の文言に「解約は○○ヶ月以上前に通知の上」という一文も検討しましょう。

トラブル7:代行者から一方的に解約すると言ってきた

回避策:「解約は○○ヶ月以上前に通知の上」という文言を盛り込む

逆に、代行業者から急に解約したいと申し出てくる可能性もあります。

しかし、突然言われても、次の人がすぐには見つからないことも多いでしょう。

それに備えて、契約の文言に「解約は○○ヶ月以上前に通知の上」という一文も検討しましょう。

また、解約するなら次の人を見つけてほしい旨をお願いするのもよいでしょう。

【参考】農業代行・委託サービスで用いる農作業受委託契約書のサンプル

契約書

参考に農作業受委託契約書のサンプルを紹介します。

なお、地域や作物によって差がありますので、あくまで参考としてください。

【サンプル】農作業受委託契約書(PDF形式)の雛形はこちら。

【サンプル】農作業受委託契約書(word形式)の雛形はこちら。

5. ソーラーシェアリングで農業代行を依頼する場合|さらに注意すべき3つの重要事項

ソーラーシェアリング

この章では、ソーラーシェアリングで農業代行を依頼する場合に、さらに注意すべき事項を説明します。

なぜソーラーシェアリングの場合だと追加で注意が必要かというと、次の厳しい営農条件があるからです。

(1)営農計画を立て、その通りに農業しなければならない。
(2)売電を続ける限りは、ソーラーパネルの下部で農業を続けなければならない。
(3)営農条件を守れない場合は、ソーラーパネルの撤去命令が下る場合がある。

そのため、代行業者に依頼するときはその旨を説明しておかなければなりません。

この章を読めば、明確にしておくべきことがわかるようになります。

その1:定期報告のために必要な情報を明確にし共有しておく

ソーラーシェアリングは、営農計画をたてる必要があります。
また収量を定期的に農業委員会に報告する義務もあります。

そのため、代行業者との間では次の事を明確にしましょう。

【明確にしておきたい情報】
(1)作物の種類(ソーラーパネル下部での栽培が可能なもの)
(2)定植・収穫スケジュール
(3)目標収穫量と実際収穫量
(4)コストの予算と実績
(5)情報の受け取り方法:(例)書面、写真、パソコンデータ等
(6)情報提供の間隔:(例)毎月、四半期、毎年、2年毎
(5)災害時の状況報告(台風や大雨など)

もし農業全般を代行業者に丸投げすると、定期報告に必要な情報が得られないこともあります。

営農計画を立てる際には、代行業者とよく相談して進めましょう。
また、収量報告もデータで受け取るようにしましょう。

営農あってのソーラーシェアリングです。
必要な情報は明確にし共有しましょう。

その2:一方的な途中解約については違約金などを検討する

ソーラーシェアリング下部では、営農を続けなければなりません。
期間は20年間です。

したがって、一方的に解約されると大変困ることになります。

ソーラーパネル下部での農業は通常の露地栽培とは勝手が違います。
引き受けてくれる業者を見つけるのも難しいでしょう。

ただ、「20年間解約不可」という契約は難しいでしょう。

せめて、解約時は代わりの人を見つけてくる猶予期間をもてるような文言を加えておくべきでしょう。
また、状況を無視した急な解約に関しては、違約金を盛り込むなども検討した方がよいでしょうか。

売電収入の確保が最優先ですから、営農が継続できるよう双方良く話し合ってから契約しましょう。

その3:撤去命令が出るリスクがあることを認識してもらう

ソーラーシェアリング撤去のリスク

営農に不備があり、撤去命令が下ったら、次の事態となります。

(1)パネルの撤去に費用がかかる
(2)期待していた売電収入が得られない
(3)融資を受けていたら返済できなくなるおそれがある

現在のところ、営農不備による撤去命令は出ていません。
ただ、今後も出ないとは限りません。
可能性はゼロではないのです。

売電欲しさに導入したものの、営農をおろそかにしていたら大変なことになります。
ご近所からクレームがくるのとはレベルが違うのです。

こういうリスクがあることを事前に説明し、認識しておいてもらいましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この記事では、次のことを説明しました。

(1)農業代行・委託サービスの概要
(2)農業代行・委託サービスと農地賃貸借との違い
(3)農業代行・委託サービス料金の目安
(4)手数料の確定申告での処理の仕方
(5)農業代行・委託サービスの契約にあたって知っておくべき事項
(6)ソーラーシェアリング下部での営農代行特有の注意点

農業代行・委託サービスには様々な形態があることがご理解いただけたかと思います。

代行業者に依頼する際には丸投げは良くありません。
依頼したい内容について所要時間や所要日数を正しく把握した上で、契約を結ぶよう心がけましょう。
そうすることでトラブルのない円滑な農業代行が行われます。

無料特別プレゼント!農作業受委託契約書サンプル

最後にこの記事でご紹介した農作業代行(営農代行)の契約書サンプルを無料でプレゼントします。
農業は、地域や作物によって差があります。

必要に応じて編集しご利用者の責任のもとご利用ください

 

・農作業受委託契約書(PDF形式)はこちら。
・農作業受委託契約書(word形式)の雛形はこちら。

 

なお、農地コンシェルジュは本契約書によって生じたいかなる損害も負いかねます。

この記事が、あなたの農地・農業に関するお困りごとの解決の一助になれば幸いです。

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